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夢をつなぐ 鵜殿の葦原

2014年5月20日 (火)

工事は着々と。。。

あ、いえ、新名神高速道路ではなくて、奈良県奈良市の平城京跡の、第1次朝堂院跡。

さわやかな、自然豊かな草原のような場所。
4万筆超の署名が集められ、提出されても着々と整備されていきました。

8月末までには工事は終わるそうです。(本日の朝日新聞の奈良県版で知りました。全国版では報道されているのかしら)。

■メリットが感じられない工事

工事を進めるのは「国交省国営飛鳥歴史公園事務所」だそうです。
目的は「奈良時代を今に感じる空間の創出」だそうですが。。。

奈良に引っ越してきてから、平城京跡でのイベント、ひとつも行っていませんが、なんだかチラシなど見ていると、平城京跡は「だだっぴろいテーマパーク」的な扱いとなり、なんだかあれは、戦隊もの、というのでしょうか、子供向けのイベントあり、花火あり、、、で、(ディズニーランド?)と見まごうようなものが多いようです。

天平時代の扮装をした人たちの行列とか、伎楽、雅楽なども行われているようですが。。。

「1400年前の、世界的にも貴重な史跡」を活かしたイベントとは、とても思えません。

わたしが引っ越して来る前の年、2010年は平城京遷都1300年祭、皇室のかたがたもご来場になり、また、宮内庁式部職楽部の演奏と舞も行われました。

当時、わたしはまだ東京に住んでいて、奈良まで先生方の演奏を聴きに平城京にきたのですが、屋台やらなにやらもたくさんできていてい、ちょっと違和感を感じたのを覚えています。

「史跡」に対する敬意みたいなものと、イベント内容がずれているように思いました。

あれだけの広大なスペースとなると、イベント会場としては、かなり「おいしい」空間となるのでしょうね。

ただ、その工事は、「史跡」にとって必要なのでしょうか。

■食い違う説明

この工事が問題になり始めたときに地元で、説明会がありました。

現地説明会ということもあって、貴重な機会かと思い、足を運びました(2012年のこと)。

まず驚いたのは、もう何年も前に、平城京跡はその半分が舗装されてしまっていた、ということ

( Д) ゚ ゚

こちらの工事の際も、国交省の側から説明があり、工事が行われたそうですが。。。

わたしが現地で聞いた説明では、「国交省が説明した工事と、実際に行われた工事では、内容が違っていた」そうです。

設計図にはない、「側溝」が、なぜかあったりとか。

最も大きな懸案事項が、「地下に眠っているたくさんの木簡類などが、舗装工事によって水分が回らなくなり、朽ち果ててしまうのでは」というものです。

「地下水が守っているから、舗装しても大丈夫」という説明もあるそうですが、大体、上を埋め立てちゃったら、もう、発掘もできないですよね。

工事する側にとっては、平城京跡は広大な「公園」。

反対する側にとっては、世界的にも貴重な、しかも未発掘の「史跡」でありながら、自然環境にも恵まれた、万人にとっての憩いの空間。

平行線のまま、工事は着工。

工事のお金で、発掘作業を進めて、研究施設でも作ればいいのになあ(2億円以上の工事費とか)。

今の、なんだか家族連れを対象としたようなイベントの内容だと、海外の人はとても呼べないと思いますが、立派な研究施設ができれば、海外からの観光客も誘致できるのに?

先陣を切って、反対運動を立ち上げられていた、地元の作家の寮さんのHPツィッターをのぞいてみました。

それはそれは、憤っておられますよ、ええ。

そこでは、藤原宮跡のこともご紹介されていました。

http://www.city.kashihara.nara.jp/kankou/own_kankou/kankou/spot/fujiwara_kyuuseki.html

うーん、なんだかなあ。。。なぜ、平城京跡はこういった道を選べない???

新名神の工事でも同じような気持ちになっていますが、「美しい自然と景観を残したい」というと「それは、感傷にすぎない」と言われます。

でも、それだって、工事反対の、立派な理由になると思います。

2013年12月12日 (木)

本当に地元と協調して、

ネクスコ西日本が、地元で葦を何十年と守ってきたかたがたと手をとって、全員が笑顔で、葦を守る、ということ、やろうと思えば、できると思うのですけれどね。

あれだけ、お金と時間のかかった実験だってできるのですから。。。

今回だって、地元でヨシを守ってこられた小山先生は「発言時間は5分と言われましたが」と苦笑い。

もっと真剣に、地元で長年ヨシとおつきあいしてきた人たちの話を聞き、経験を汲み取ってほしいです。

多分、「国土交通省」が悪いように勘違いしているヒトも多いと思うのですが、そうではなくて、国交省も、やり過ぎた河川工事のために乾燥が進む一方の鵜殿を救うために、さまざまな努力は、してきてくれているのです。

「全員が笑顔」にならないのなら、やはりこの工事は、してはいけないと思います。

*(注)「してはいけない」というのはわたしの個人的な気持ち。
  「SAVE THE 鵜殿ヨシ原」の要望はルートの迂回で、もう少しソフトです。

びっくりだわ! ネクスコさん!

この件につきましては、NEXCO西日本さんより後日ご連絡をいただき、ご説明がありましたので、追記があります↓(2014年1月16日現在)
https://sho3ku.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/nexco-4b27.html
合わせてお読みいただけますと、経過をより一層ご理解いただけると思います。

************************************

(同一内容の記事を拙ブログ「笙の響きと〜」のほうにもアップしています。鵜殿のことは、こちらのブログにアップするようにしているのですが、あちらのほうが、アクセスするかたが多いので、人目に触れやすいかと)

本日、第3回目の「新名神高速道路 鵜殿ヨシ原の環境保全に向けた検討委員会」が高槻市であり、参加してきました。

2時間で終了の予定が2時間45分、ほぼ3時間近くノンストップで行われました。

前回よりは、ネクスコさん側の実験の成果ご披露の時間が少なく、検討委員のかたの発言の時間も、少しはあったのですが。。。

会場には実験や観測に使われている無線のヘリコプターなどが展示され、なんか、やっぱり、ネクスコさんって感覚がずれているなあ、、、と。

「お金をかけてます、最新の技術を使っています」というアピールではなくて、実験の内容と成果、なのです、保全のために求められているのは。

相変わらず、種を蒔いて発芽させる、という、とんちんかんな実験をされつつも(今回は、オブザーバー側からも、そのとんちんかんさの指摘がありました)、ようやく来年度から地下茎の移植に取り組んでくださる、という朗報もあって、、

少しは実験の態勢も、向上してきたのかな、と思ったのですが。。。

最後の最後に、、、

ほんと、びっくりしました。

実際に、工事を請け負う責任者のかたのご発言が終幕のほうであったのですが。

まず、11月18日に「SAVE THE 鵜殿ヨシ原」の活動によって大臣に7万9000筆近くもの署名が提出されたことについて触れられたのですが、、、

なんだか、怒りに声が震えておられ。。。

(えっ、何を今更。。。署名集めのことはもう1年以上も前から、よくよくご存知だったはず)。

「あなたがた、一体、何がそんなに心配なんですか!」と詰問され。。。

(心配、というより、このままでいくとヨシがなくなる、という現実があるから、この検討委員会があるのでは。。。一体?)と、思っていると、さらに

「我々が国交省が行ってきている導水路や揚水ポンブを止めるようなことをする訳がないでしょう! 配慮して工事をすると言っているでしょう!私たち が出しているパンフレットにも、ちゃんと書いてあります! ヨシを守れるという保証が、ほしい、保証保証ってあなた方は!」と、ご発言。

ええええええええ!!!!?

随分、お金をかけて、まあ立派なパンフレットを作ったな、と思ってみていたのですが、確かに書いてあります。

でも、具体的に導水や地下水に影響がでないための工事方法も提案も、何ひとつ、書かれていません。

で、パンフにある写真にも、導水路を「ばっさり」、高速道路が横断する図が、堂々と明記されているのですから。。。

全然、論旨が通っていません。。。それに、篳篥のためのヨシが増やしていけるという保証、というよりは「確証」が得られないと、計画通りの工事を認められない、という雅楽界側の要望は、とっくにご存知のはず。


「あんな実験、やりました」「DNAの鑑定もしています」「GPS使いました」「無人へりも飛ばしましたし」「これだけ、地下の水脈調べました」だけでは。。。
(どのご報告も、まだ「結論」が出ていない段階です)。

中には成果が待たれる実験や調査もあるのですが、、、

全体のデータの流れやアピールの仕方が、「素人の目くらまし」にもとれます。

ネクスコさんって、もう少し文化的、紳士的に話を進めてくださる会社かと思っていたので、ちょっとショック。

そんな、威丈高に怒られても、っていう感じです。

でも、おそらく、マスコミのかたがたは「不安にかられた地元市民が公聴会に詰めかけた」云々、書くのでしょう。。。

パンフの立派さには負けますが(笑)、鵜殿ヨシ原研究所などで出しているリーフレットの情報なども、きちんと把握していただきたいものです。

わずか数%台までに落ち込んでいた葦の植生を20%台に戻すだけでも何十年とかかっている、ということを。。。

「心配」ではなくて、「現実」です、これが。



さらに、今回、公聴者がやや過去2回に比べて少ないという印象を受けましたが。

今回は、これまで来ていた、ネクスコからの検討委員会のご案内のメール、来なかったんですよね。

まあ、今回以降は「自分で情報をチェックして、来てください」ということなのでしょうけれど、そういうことなら、その旨を伝える御連絡があってもしかるべきでは。

今回の検討会の日程を知らなかった人、多いはずです。

そうかと思えば、今回は宮内庁楽部からのオブザーバーも、また、過去2回と同じく東儀秀樹さんも、ご欠席。

楽部の先生方は、12月と1月は、予定がいっぱいで動けないのもわかりますが。。。

「当事者」(篳篥の演奏者)不在のまま、篳篥用のヨシの保全を巡っての検討会。

なんとも釈然としないものも感じました。



10年後から20年後ぐらいには、「篳篥奏者」という職業が、宮内庁からも、民間からも、なくなるのでしょうか。。。

宮内庁の楽師というと、笛か笙しか、いなくなるという。。。
定員が20名ぐらいになるかもしれません。そうなったら、もう「トキ」のような状態です。

まあ、そこまで行く前に、もっと細い、他の地域の葦で、どうにかこうにかリードが作られ、音色も音量も貧相になって伝統は続いていくのかもしれませんが。。。

道路を作る側だけでなく、国全体が、文化より道路、という方向で動いているんだなあ、、、と思います。

ネクスコで、劇的にヨシを増やす方法とか、本当に見つけてくだされば、歴史に残るぐらいの工事事例として名を馳せ、雅楽も救われるのですが。

もう少し、真剣味が欲しいです。
真剣に、成果を、実績を出してください!




2013年11月17日 (日)

毎日新聞に

署名のことが記事として掲載されていますね。

http://mainichi.jp/select/news/20131116k0000e040258000c.html

約8万筆。

結果がどうでても、鵜殿のヨシの危機は、まったく解決されていません。

たくさんのかたがたが、「保全」の活動に参加されることが望まれています。

今の日本の状況ですと、自然や伝統より、「経済」ですから、確実に雅楽も、良い音、良い演奏が失われてしまいます。

たくさんの方々の「関心」こそが必要とされています。

それとも、本当に「雅楽」、要らないのでしょうか?

2013年9月23日 (月)

「これまで」と「今後」(2)

でも、「水牛楽団の音楽教室」とか「水牛通信」から、学んだことはすごく大きかったのです。

人と人とのつながり、人と音楽とのつながり。

社会のなかでの音楽の在り方。世界中で。歴史のなかで。

そういったものを自分で考える習慣がついた。

権威とか、名声とかの「ラベル」にこだわらないで(尊重しないという意味ではなく)、ひとつひとつ自分の目と、耳で、確かめるクセがついた。

「音楽教室」といいながらも、プロテストソングを聴きながら、ディスカッションをしたり、竹で作られたアンクルンとか、ただ筒切りにしただけの竹をみんなで鳴らして、響きを楽しんだりとか(チャンス・オペレーション?)、不思議な雰囲気でした。

多分、その頃です。

故・小泉文夫先生のNHKテレビでの「民族音楽の特集」のような番組で、笙に出会ったのは。

髪の長い優雅な女性が、すっときれいなフォームで楽器を構えたかと思うと、不思議な音楽を演奏し始めました。

(わ、なんだろう、この楽器? 笙? 知らない。えっ、日本の、日本の楽器なんだ!!)。

音はとめどなく溢れて、まったく途切れることなく、不思議な喜びと静けさに、心が満たされました。

何よりも、ショックでした。

笙。

これが、日本の楽器。

小泉文夫先生の番組などの影響で、ワールドミュージック系の音楽が少しずつ、世の中に紹介され始めていた頃。

広範囲にいろいろなものを聴いていたつもりでしたが、こんなものが世の中にあったなんて、まったく知らなかった。

それが、足元の、日本の楽器???

そして1、2年後に、その髪の長い優雅な女性に、自分が笙を習うことになるとは、夢にも思いませんでした。

そのときの自分のショックは今でも忘れることができません。

そして、笙はまだまだ広く知られているとはいえず、そのときのショック(というか、感銘)のようなものをもっとたくさんの人に知って欲しいと思うようになり、今活動しているのも、こういった出会いがあったからです。

(続)

ブログ「笙の響きと雅楽の愉しみ」はこちら
https://sho3ku.cocolog-nifty.com/blog/

2013年6月29日 (土)

第2回 新名神高速道路建設 鵜殿ヨシ原に関する環境保全検討委員会(2)

わたしは、NEXCOさんが行っている調査や実験がすべて無意味だとは、思っていません。

膨大な経費、費用をかけて調査を行っていらっしゃるようです。
ボランティア活動では、賄いきれないようなコスト。
新しい発見が出てくる可能性もあるとは思います。

ただ、例えば、検討委員会の帰りがけにお話をした、物理学が専門でいらっしゃるかたも、「ヨシ原焼きの大気の温度を計る方法、あれはどう考えてもおかしい」とおっしゃっていました。

実験と調査のやり方、これは全部NEXCOさんが決めているものです。
その一つ一つをきちっと、検討委員会で検討する時間がない。

公聴している側との質疑応答はまったくなし。
本来は、一般のかたとの質疑応答ぐらいはあってもいいのでは。

かなり、一方的な検討委員会です。

今回は検討委員が発言する時間も、わずかに15分。
30分ほど延長となったものの、それでも時間が押しているのを気にしていることもあって、委員のご発言は、どれも短めなものとなりました。

これで、工事に対して「ゴーサイン」を出していいものかどうか?

非常に疑問です。

また、ヨシが工事の結果、全滅などしてしまった場合、NEXCOさんはどう責任をとられるのでしょうか?  

東儀秀樹さんも、積極的にネクスコの工事を支持されているようですが。。。

あちこち、「ほころび」がありそうな、この調査(わずか1年)によって、責任を逃れられるとは、、、、

どうしても思えないのです。

わたしは、NEXCOさんが「実際にヨシを増やした」という実績を出してから、工事にかかるのが正論なのでは、と思います。

3年、5年、10年かかっても。
本当に、雅楽の篳篥用のヨシに全力で取り組んでおられるのなら。

2013年6月27日 (木)

本日の東京新聞に

本日27日、「雅楽用ヨシ保全へ調査」という記事で、先日の第2回検討委員会の記事が載っているそうです。

ネクスコさんが行っている調査はもっといろいろとあったのですが、東京新聞の記者さんは、やはり鵜殿のヨシを増やすための実験のことが気になられたようで、その実験について触れられています。

わたしも真っ先に気になったので
https://sho3ku.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-eeab.html

と、書きました。

「すでに滋賀県の施設で種子から発芽させることに成功」とあるのですが、発芽率5%程度で成功、と言えるのでしょうか?

また地下茎で増える植物を種子から育てる、非常に効率の悪い手法をなぜ選んだのか、疑問です。

会場に置いてあった、もやしのようなヨシが地下茎を発達させるのに、いったい何年かかるのか。。。

5年、10年? 確か40センチ程度には育ってきているものもある、ということでしたが。

わたしも、ヨシを増やす実験や調査には期待しています。

ですので、地下茎から増やす方法をなぜとらないのかは、とても疑問に感じています。

この点に関しては、あちらこちらに聞いて、実験の有効性を確認してみようと思っています。

ヨシを未来につなぐ方法があるのでしたら、できるだけ客観的に実験を評価するのが、本当なのでは、と思います。



2013年6月25日 (火)

第2回 新名神高速道路建設 鵜殿ヨシ原に関する環境保全検討委員会(1)

6月23日、大阪は高槻市でNEXCO西日本により行われた、「新名神高速道路 鵜殿ヨシ原に関する環境保全検討委員会」。

公聴は限定20名。

行ってまいりました。さっくり、感触をご報告させていただきます。

今回も思ったのですが、取材・報道陣のカメラが入れるのは、最初の主催者挨拶まで。

これ、おかしくないでしょうか?
だったら、「限定20名」などとしないで、もっとたくさんの人が入れるようにするとか。。。
本来だったら、Ustreamなどで委員会の内容を誰でもチェックできるようにすべきでは。

「密室」にしないで、広く世論に公開・公表すべきでは?

東京からは前回同様、宮内庁式部職楽部主席楽長の池邊五郎先生がご出席、東儀秀樹さんは、今回もご欠席(最後に秀樹さんからのメッセージあり)。

今回は予定の1時間半を超過して、2時間に渡って行われました。
「熱い討論」が繰り広げられのでしょうか?って?

1時間15分ほどは、ネクスコさんが四月から開始された、鵜殿の調査内表のご報告、で終わってしまいました。

検討委員が、活発に意見交換やアドバイスできる時間が、ほとんどないのです。
そういう設定になってしまっていました。

でも、委員会に参加しているので、ネクスコさんの実験を「了承」したことになるのでしょうね。。。

さらに、ネクスコさんが行っている各種の調査や実験。

大変な労力とお金をかけて、行っておられるのはよくわかります。

でも。

調査方法や実験の内容を決めるのに、「検討委員や地元の専門家との話し合い」などは、まったくなく、ネクスコさんが決めた独自の方法で、独自に調査を行っていらっしゃるんですね。

これじゃあ、ネクスコさんが「鵜殿のヨシに影響なく、工事を進めることができます!」と言えるような、データを抽出しやすくなるなあ、と思いました。

データに、偏向(というか、バイアス)が、かかる可能性が高いと思います。

各分野の専門の先生がたも(もちろん、意見、アドバイスは出ていましたが)、報告を受けてわずか15分程度で、細かく「検証」する時間もありません。
もう枠組みが決まってしまっていて、すでに2ヶ月間、データをとり始めている調査に対して、その場で「全体の見直しを」とは言えないでしょう。

実際の調査内容は、時々、理系ではないわたしでも、首をひねるようなものも、ありました。

わたしは、理系ではありませんが、実はずいぶんと長い間、翻訳関係の仕事をしてきました。
しかも科学・医学・化学・物理系の。
論文なども、翻訳しました。
現場の技術者とのディスカッションを繰り返しながら、仕上げた翻訳も多々ありました。

ジャンルを選べなかったので、逆に大体のデータや調査、実験はグラフなどをみて、その「意味や意義」が理解できるようになりました。

つまり、「感傷や不安」だけで物を言っているのではなくて、ある程度は「実験方法などの正当性」を読み解く能力はあります。。。

そう思って、この記事を書いております。。。
専門家では、当然ありませんが、「自分でも発言内容に、ある程度の責任は持てる」、ということで。

で、今回参加して思ったのですが、ネクスコさんが行っている実験・調査は、

「植物のように、長期で成長状況が推移、変動していくものにたいしては、調査期間が短か過ぎ、データの量が足らない。あまり意味がない、あるいは的外れなものもあるのでは?」

ということです。

こういった実験は、本当は「統計学的に、有意義なデータであるかどうか」という検証も行わなければいけないのです。

もちろん、全部が全部ではありません。
鵜殿の保全に、今後役立つかもしれない、という調査やデータもあったように思います。

(続きは、また後日)

2013年5月 3日 (金)

明日は大阪大念仏寺で

明日は「万部おねり」にて、鵜殿の署名集めのお手伝いをします!

明日は、多分、わたし一人。

でも、数カ月前に東京の国立劇場にて、この「万部おねり」が行われたそうですが、、、

観に行ったという、東京の笙の生徒さんは、とても「受けて」いました(笑)。

大念仏寺の25菩薩、コワい。。。

http://www.dainenbutsuji.com/oneri/index.html

↑このページの映像、必見です。

コワい。。。雅楽の音とともに、こんな勢いで走り寄ってこられたら、いくら菩薩様でも。。。

コワくて夜寝られなくなりそうです(笑)。

大阪は、まだまだわたしにとって、「不思議の国」です。。。
(実は、すごく楽しみにしているのでありました。。。)

明日、大念仏寺にいらっしゃれるかたは、どうか署名にご協力ください。

よろしくお願いいたします!

2013年5月 2日 (木)

中村仁美さんから

篳篥奏者の中村仁美さんから、

管楽器専門月刊誌「パイパーズ」5月号(2013年)の特集記事のコピーが届きました。

タイトルは

「篳篥の音が消えてしまう!」
雅楽、ひいては宮中祭祀での奏楽も滅びの道へ?

です。

特筆すべきはInternational Double Reed Society(IDRS=国際ダルブリード協会)からの檄文の掲載です(英文、和文)。

海外にも知られることとなった、鵜殿のヨシ原の危機。

「IDRSは(中略)、断固として、淀川河川の保護と保存の呼びかけを支持いたしますーーそこには篳篥の魂が宿っているのだから」

という一文で結ばれる文章には、とても力強い「応援」の気持ちが伝わってきます。

日本人がこの問題を知らなくて、どうします!!?

先日、ツィッターでもつぶやきましたが、鵜殿ヨシ原の葦だけではなく、笙の竹も、漆も、絹糸も、樺も籐も、危機的状況です。

おそらく20年ほども前から、危機的状況ということは言われ続けてきていて、、、結局、状況は良くはならなかったということです。

不思議なことに、「鵜飼」は「御料鵜飼」と言って、宮内庁の管轄によって行われています。
宮内庁の御料場があるそうです。

なぜ、皇室と深い関わりがある雅楽、その雅楽を演奏するために不可欠な、鵜殿のヨシや、竹などの材料をこれまで宮内庁が庇護してこなかったのでしょうか。。。

わたしの笙を作ってくださった、八幡暹昌さんに、もう20年ほど前に伺ったお話です。

煤竹は、ご存知のように古い農家、民家の囲炉裏の天井などに使われていた、普通の竹です。それが何十年、時に何百年と煤に燻され、煤竹に変わるのですが、「日本列島改造論」の頃、地方の民家が次々と壊されてしまい、八幡さんはお一人でお役所に抗議に行かれたそうです。

「このままでは、わしらが作る楽器の材料がなくなってしまう。生活がかかっているから、なんとかしてほしい」と。

でも、なんの対応もなかったとか。。。

もう、政治家や御役所には、任せておけないんだな。。。と思います。

「トップダウン」(上からの指示待ちではなく)、「ボトムズアップ」(下から上へ)の時代。

ここ数年、もう雅楽を続けていくには、いわゆる「環境問題」、農薬の問題やら、水質汚染の問題やら、挙げ句の果てには原発の事故ということまで起きて、さらには高速道路の建設の問題やら、、、をクリアしないといけなくなってきて。。。


雅楽を続けていく、伝統を守る=生活を根底から改革していく

ことになってくるんじゃないかしら、と思っています。












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