工事は着々と。。。
あ、いえ、新名神高速道路ではなくて、奈良県奈良市の平城京跡の、第1次朝堂院跡。
さわやかな、自然豊かな草原のような場所。
4万筆超の署名が集められ、提出されても着々と整備されていきました。
8月末までには工事は終わるそうです。(本日の朝日新聞の奈良県版で知りました。全国版では報道されているのかしら)。
■メリットが感じられない工事
工事を進めるのは「国交省国営飛鳥歴史公園事務所」だそうです。
目的は「奈良時代を今に感じる空間の創出」だそうですが。。。
奈良に引っ越してきてから、平城京跡でのイベント、ひとつも行っていませんが、なんだかチラシなど見ていると、平城京跡は「だだっぴろいテーマパーク」的な扱いとなり、なんだかあれは、戦隊もの、というのでしょうか、子供向けのイベントあり、花火あり、、、で、(ディズニーランド?)と見まごうようなものが多いようです。
天平時代の扮装をした人たちの行列とか、伎楽、雅楽なども行われているようですが。。。
「1400年前の、世界的にも貴重な史跡」を活かしたイベントとは、とても思えません。
わたしが引っ越して来る前の年、2010年は平城京遷都1300年祭、皇室のかたがたもご来場になり、また、宮内庁式部職楽部の演奏と舞も行われました。
当時、わたしはまだ東京に住んでいて、奈良まで先生方の演奏を聴きに平城京にきたのですが、屋台やらなにやらもたくさんできていてい、ちょっと違和感を感じたのを覚えています。
「史跡」に対する敬意みたいなものと、イベント内容がずれているように思いました。
あれだけの広大なスペースとなると、イベント会場としては、かなり「おいしい」空間となるのでしょうね。
ただ、その工事は、「史跡」にとって必要なのでしょうか。
■食い違う説明
この工事が問題になり始めたときに地元で、説明会がありました。
現地説明会ということもあって、貴重な機会かと思い、足を運びました(2012年のこと)。
まず驚いたのは、もう何年も前に、平城京跡はその半分が舗装されてしまっていた、ということ
( Д) ゚ ゚
こちらの工事の際も、国交省の側から説明があり、工事が行われたそうですが。。。
わたしが現地で聞いた説明では、「国交省が説明した工事と、実際に行われた工事では、内容が違っていた」そうです。
設計図にはない、「側溝」が、なぜかあったりとか。
最も大きな懸案事項が、「地下に眠っているたくさんの木簡類などが、舗装工事によって水分が回らなくなり、朽ち果ててしまうのでは」というものです。
「地下水が守っているから、舗装しても大丈夫」という説明もあるそうですが、大体、上を埋め立てちゃったら、もう、発掘もできないですよね。
工事する側にとっては、平城京跡は広大な「公園」。
反対する側にとっては、世界的にも貴重な、しかも未発掘の「史跡」でありながら、自然環境にも恵まれた、万人にとっての憩いの空間。
平行線のまま、工事は着工。
工事のお金で、発掘作業を進めて、研究施設でも作ればいいのになあ(2億円以上の工事費とか)。
今の、なんだか家族連れを対象としたようなイベントの内容だと、海外の人はとても呼べないと思いますが、立派な研究施設ができれば、海外からの観光客も誘致できるのに?
先陣を切って、反対運動を立ち上げられていた、地元の作家の寮さんのHPとツィッターをのぞいてみました。
それはそれは、憤っておられますよ、ええ。
そこでは、藤原宮跡のこともご紹介されていました。
http://www.city.kashihara.nara.jp/kankou/own_kankou/kankou/spot/fujiwara_kyuuseki.html
うーん、なんだかなあ。。。なぜ、平城京跡はこういった道を選べない???
新名神の工事でも同じような気持ちになっていますが、「美しい自然と景観を残したい」というと「それは、感傷にすぎない」と言われます。
でも、それだって、工事反対の、立派な理由になると思います。
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