この件につきましては、NEXCO西日本さんより後日ご連絡をいただき、ご説明がありましたので、追記があります↓(2014年1月16日現在)
https://sho3ku.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/nexco-4b27.html
合わせてお読みいただけますと、経過をより一層ご理解いただけると思います。
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(同一内容の記事を拙ブログ「笙の響きと〜」のほうにもアップしています。鵜殿のことは、こちらのブログにアップするようにしているのですが、あちらのほうが、アクセスするかたが多いので、人目に触れやすいかと)
本日、第3回目の「新名神高速道路 鵜殿ヨシ原の環境保全に向けた検討委員会」が高槻市であり、参加してきました。
2時間で終了の予定が2時間45分、ほぼ3時間近くノンストップで行われました。
前回よりは、ネクスコさん側の実験の成果ご披露の時間が少なく、検討委員のかたの発言の時間も、少しはあったのですが。。。
会場には実験や観測に使われている無線のヘリコプターなどが展示され、なんか、やっぱり、ネクスコさんって感覚がずれているなあ、、、と。
「お金をかけてます、最新の技術を使っています」というアピールではなくて、実験の内容と成果、なのです、保全のために求められているのは。
相変わらず、種を蒔いて発芽させる、という、とんちんかんな実験をされつつも(今回は、オブザーバー側からも、そのとんちんかんさの指摘がありました)、ようやく来年度から地下茎の移植に取り組んでくださる、という朗報もあって、、
少しは実験の態勢も、向上してきたのかな、と思ったのですが。。。
最後の最後に、、、
ほんと、びっくりしました。
実際に、工事を請け負う責任者のかたのご発言が終幕のほうであったのですが。
まず、11月18日に「SAVE THE 鵜殿ヨシ原」の活動によって大臣に7万9000筆近くもの署名が提出されたことについて触れられたのですが、、、
なんだか、怒りに声が震えておられ。。。
(えっ、何を今更。。。署名集めのことはもう1年以上も前から、よくよくご存知だったはず)。
「あなたがた、一体、何がそんなに心配なんですか!」と詰問され。。。
(心配、というより、このままでいくとヨシがなくなる、という現実があるから、この検討委員会があるのでは。。。一体?)と、思っていると、さらに
「我々が国交省が行ってきている導水路や揚水ポンブを止めるようなことをする訳がないでしょう! 配慮して工事をすると言っているでしょう!私たち
が出しているパンフレットにも、ちゃんと書いてあります! ヨシを守れるという保証が、ほしい、保証保証ってあなた方は!」と、ご発言。
ええええええええ!!!!?
随分、お金をかけて、まあ立派なパンフレットを作ったな、と思ってみていたのですが、確かに書いてあります。
でも、具体的に導水や地下水に影響がでないための工事方法も提案も、何ひとつ、書かれていません。
で、パンフにある写真にも、導水路を「ばっさり」、高速道路が横断する図が、堂々と明記されているのですから。。。
全然、論旨が通っていません。。。それに、篳篥のためのヨシが増やしていけるという保証、というよりは「確証」が得られないと、計画通りの工事を認められない、という雅楽界側の要望は、とっくにご存知のはず。
「あんな実験、やりました」「DNAの鑑定もしています」「GPS使いました」「無人へりも飛ばしましたし」「これだけ、地下の水脈調べました」だけでは。。。
(どのご報告も、まだ「結論」が出ていない段階です)。
中には成果が待たれる実験や調査もあるのですが、、、
全体のデータの流れやアピールの仕方が、「素人の目くらまし」にもとれます。
ネクスコさんって、もう少し文化的、紳士的に話を進めてくださる会社かと思っていたので、ちょっとショック。
そんな、威丈高に怒られても、っていう感じです。
でも、おそらく、マスコミのかたがたは「不安にかられた地元市民が公聴会に詰めかけた」云々、書くのでしょう。。。
パンフの立派さには負けますが(笑)、鵜殿ヨシ原研究所などで出しているリーフレットの情報なども、きちんと把握していただきたいものです。
わずか数%台までに落ち込んでいた葦の植生を20%台に戻すだけでも何十年とかかっている、ということを。。。
「心配」ではなくて、「現実」です、これが。
さらに、今回、公聴者がやや過去2回に比べて少ないという印象を受けましたが。
今回は、これまで来ていた、ネクスコからの検討委員会のご案内のメール、来なかったんですよね。
まあ、今回以降は「自分で情報をチェックして、来てください」ということなのでしょうけれど、そういうことなら、その旨を伝える御連絡があってもしかるべきでは。
今回の検討会の日程を知らなかった人、多いはずです。
そうかと思えば、今回は宮内庁楽部からのオブザーバーも、また、過去2回と同じく東儀秀樹さんも、ご欠席。
楽部の先生方は、12月と1月は、予定がいっぱいで動けないのもわかりますが。。。
「当事者」(篳篥の演奏者)不在のまま、篳篥用のヨシの保全を巡っての検討会。
なんとも釈然としないものも感じました。
10年後から20年後ぐらいには、「篳篥奏者」という職業が、宮内庁からも、民間からも、なくなるのでしょうか。。。
宮内庁の楽師というと、笛か笙しか、いなくなるという。。。
定員が20名ぐらいになるかもしれません。そうなったら、もう「トキ」のような状態です。
まあ、そこまで行く前に、もっと細い、他の地域の葦で、どうにかこうにかリードが作られ、音色も音量も貧相になって伝統は続いていくのかもしれませんが。。。
道路を作る側だけでなく、国全体が、文化より道路、という方向で動いているんだなあ、、、と思います。
ネクスコで、劇的にヨシを増やす方法とか、本当に見つけてくだされば、歴史に残るぐらいの工事事例として名を馳せ、雅楽も救われるのですが。
もう少し、真剣味が欲しいです。
真剣に、成果を、実績を出してください!
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