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2013年12月

2013年12月17日 (火)

これまでの検討委員会ってなんだったんだろう?

新名神高速道路 鵜殿ヨシ原に関する保全検討委員会、第3回目に参加して、数日が経ちますが、NEXCO西日本側の説明、まったく解せません。

鵜殿ヨシ原でしか採取されない、良質な篳篥用のリードは、このままでいくとまったくとれなくなってしまうのは、過去のデータからも明らかです。

移植が非常に難しいことも、わずか発表時間を5分しか与えられなかった、小山先生の発表内容からもわかると思います。

鵜殿のヨシ原を自分の足で、30年以上も歩いてきた人の話をなぜ、5分で遮るのでしょうか?

会場に展示してあった無人ヘリなんかを飛ばすよりも、ずっと得ることが大きいはずです。

地元の専門家の意見を取り入れながら、鵜殿の保全に努めるのがNEXCOの主張だったはず。



わたしはNEXCO側の説明も、中立な立場で聴いてきました。

つまり、「SAVE THE 鵜殿ヨシ原」の主張とは異なり、NEXCOにもやれば、高速道路の建設を行いながらも、本気を出せば、ヨシの保全を行うことができるかもしれない、という立場です。

あれだけの資金と、人員、そして組織があるのですから、大規模な実験、そして、これまでの高速道路工事では、あり得なかった、工事の仕方、本当に自然を守るための工事だってできるはずです。

本気を出せば、世界にも誇ることができるような、自然環境を守りながらの高速道路の工事、できると思うのです。

日本の技術力を結集させれば。

ただ、第1回目の検討委員会から、腑に落ちないことばかり。

第3回目からは少し、内容が改良されてきたのか、、、と感じつつあったところに、NEXCO側からの強いいらだちとお怒りのご発言。

「何がそんなに心配なんですか!」と言われても、心配というよりは、現実にヨシが弱ってきているのだから、工事を行う上で、お互いに情報を交換しあって、よりよい現実に向けて歩みましょう、というのが検討委員会の目的と主旨だったはず。

立派な実験室で、種を撒いて、もやしみたいなヨシを育てて、「移植の実験を行っています」なんて言っていないで、本気だしてくださいよ、NEXCOさん!

今年は予想外の台風による鵜殿の冠水もあって、アシは相当に弱っているようですよ。


2013年12月12日 (木)

本当に地元と協調して、

ネクスコ西日本が、地元で葦を何十年と守ってきたかたがたと手をとって、全員が笑顔で、葦を守る、ということ、やろうと思えば、できると思うのですけれどね。

あれだけ、お金と時間のかかった実験だってできるのですから。。。

今回だって、地元でヨシを守ってこられた小山先生は「発言時間は5分と言われましたが」と苦笑い。

もっと真剣に、地元で長年ヨシとおつきあいしてきた人たちの話を聞き、経験を汲み取ってほしいです。

多分、「国土交通省」が悪いように勘違いしているヒトも多いと思うのですが、そうではなくて、国交省も、やり過ぎた河川工事のために乾燥が進む一方の鵜殿を救うために、さまざまな努力は、してきてくれているのです。

「全員が笑顔」にならないのなら、やはりこの工事は、してはいけないと思います。

*(注)「してはいけない」というのはわたしの個人的な気持ち。
  「SAVE THE 鵜殿ヨシ原」の要望はルートの迂回で、もう少しソフトです。

びっくりだわ! ネクスコさん!

この件につきましては、NEXCO西日本さんより後日ご連絡をいただき、ご説明がありましたので、追記があります↓(2014年1月16日現在)
https://sho3ku.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/nexco-4b27.html
合わせてお読みいただけますと、経過をより一層ご理解いただけると思います。

************************************

(同一内容の記事を拙ブログ「笙の響きと〜」のほうにもアップしています。鵜殿のことは、こちらのブログにアップするようにしているのですが、あちらのほうが、アクセスするかたが多いので、人目に触れやすいかと)

本日、第3回目の「新名神高速道路 鵜殿ヨシ原の環境保全に向けた検討委員会」が高槻市であり、参加してきました。

2時間で終了の予定が2時間45分、ほぼ3時間近くノンストップで行われました。

前回よりは、ネクスコさん側の実験の成果ご披露の時間が少なく、検討委員のかたの発言の時間も、少しはあったのですが。。。

会場には実験や観測に使われている無線のヘリコプターなどが展示され、なんか、やっぱり、ネクスコさんって感覚がずれているなあ、、、と。

「お金をかけてます、最新の技術を使っています」というアピールではなくて、実験の内容と成果、なのです、保全のために求められているのは。

相変わらず、種を蒔いて発芽させる、という、とんちんかんな実験をされつつも(今回は、オブザーバー側からも、そのとんちんかんさの指摘がありました)、ようやく来年度から地下茎の移植に取り組んでくださる、という朗報もあって、、

少しは実験の態勢も、向上してきたのかな、と思ったのですが。。。

最後の最後に、、、

ほんと、びっくりしました。

実際に、工事を請け負う責任者のかたのご発言が終幕のほうであったのですが。

まず、11月18日に「SAVE THE 鵜殿ヨシ原」の活動によって大臣に7万9000筆近くもの署名が提出されたことについて触れられたのですが、、、

なんだか、怒りに声が震えておられ。。。

(えっ、何を今更。。。署名集めのことはもう1年以上も前から、よくよくご存知だったはず)。

「あなたがた、一体、何がそんなに心配なんですか!」と詰問され。。。

(心配、というより、このままでいくとヨシがなくなる、という現実があるから、この検討委員会があるのでは。。。一体?)と、思っていると、さらに

「我々が国交省が行ってきている導水路や揚水ポンブを止めるようなことをする訳がないでしょう! 配慮して工事をすると言っているでしょう!私たち が出しているパンフレットにも、ちゃんと書いてあります! ヨシを守れるという保証が、ほしい、保証保証ってあなた方は!」と、ご発言。

ええええええええ!!!!?

随分、お金をかけて、まあ立派なパンフレットを作ったな、と思ってみていたのですが、確かに書いてあります。

でも、具体的に導水や地下水に影響がでないための工事方法も提案も、何ひとつ、書かれていません。

で、パンフにある写真にも、導水路を「ばっさり」、高速道路が横断する図が、堂々と明記されているのですから。。。

全然、論旨が通っていません。。。それに、篳篥のためのヨシが増やしていけるという保証、というよりは「確証」が得られないと、計画通りの工事を認められない、という雅楽界側の要望は、とっくにご存知のはず。


「あんな実験、やりました」「DNAの鑑定もしています」「GPS使いました」「無人へりも飛ばしましたし」「これだけ、地下の水脈調べました」だけでは。。。
(どのご報告も、まだ「結論」が出ていない段階です)。

中には成果が待たれる実験や調査もあるのですが、、、

全体のデータの流れやアピールの仕方が、「素人の目くらまし」にもとれます。

ネクスコさんって、もう少し文化的、紳士的に話を進めてくださる会社かと思っていたので、ちょっとショック。

そんな、威丈高に怒られても、っていう感じです。

でも、おそらく、マスコミのかたがたは「不安にかられた地元市民が公聴会に詰めかけた」云々、書くのでしょう。。。

パンフの立派さには負けますが(笑)、鵜殿ヨシ原研究所などで出しているリーフレットの情報なども、きちんと把握していただきたいものです。

わずか数%台までに落ち込んでいた葦の植生を20%台に戻すだけでも何十年とかかっている、ということを。。。

「心配」ではなくて、「現実」です、これが。



さらに、今回、公聴者がやや過去2回に比べて少ないという印象を受けましたが。

今回は、これまで来ていた、ネクスコからの検討委員会のご案内のメール、来なかったんですよね。

まあ、今回以降は「自分で情報をチェックして、来てください」ということなのでしょうけれど、そういうことなら、その旨を伝える御連絡があってもしかるべきでは。

今回の検討会の日程を知らなかった人、多いはずです。

そうかと思えば、今回は宮内庁楽部からのオブザーバーも、また、過去2回と同じく東儀秀樹さんも、ご欠席。

楽部の先生方は、12月と1月は、予定がいっぱいで動けないのもわかりますが。。。

「当事者」(篳篥の演奏者)不在のまま、篳篥用のヨシの保全を巡っての検討会。

なんとも釈然としないものも感じました。



10年後から20年後ぐらいには、「篳篥奏者」という職業が、宮内庁からも、民間からも、なくなるのでしょうか。。。

宮内庁の楽師というと、笛か笙しか、いなくなるという。。。
定員が20名ぐらいになるかもしれません。そうなったら、もう「トキ」のような状態です。

まあ、そこまで行く前に、もっと細い、他の地域の葦で、どうにかこうにかリードが作られ、音色も音量も貧相になって伝統は続いていくのかもしれませんが。。。

道路を作る側だけでなく、国全体が、文化より道路、という方向で動いているんだなあ、、、と思います。

ネクスコで、劇的にヨシを増やす方法とか、本当に見つけてくだされば、歴史に残るぐらいの工事事例として名を馳せ、雅楽も救われるのですが。

もう少し、真剣味が欲しいです。
真剣に、成果を、実績を出してください!




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