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2020年12月30日 (水)

ライブの映像配信・・・予告編製作中です

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10月31日に京都で行いました生配信の映像・・・編集、ミックスダウンの上、有料配信(期間限定公開)する予定です。


が!!


わたしのところで作業がずっとストップしていまして( ̄▽ ̄;)

映像の古木さん、音響の島田さん、本当にごめんなさい💦💦💦


予告編のサンプルみたいなものをまず、自分で作ります!!!!!と、言ったものの、そこでストップ(伊藤えりあるある 💦)


暮れとお正月に完成をめざします🙂。はい。


今度こそ🔥💪🔥



このときの即興は本当に、時間が許せば倍の長さでやりたかったくらい。
また別の形で、やれたらと思っています。



以下、作業遅れの言い訳(笑)。

1月には京都ラ・ネージュさんでのコンサートがあり、こちらもコラボなので仕込みが大変。

2月には京都女子大学主催のコンサートが京都コンサートホールであり、佐藤岳晶先生の作品「一声鳳管」の演奏に参加させていただきます。
今回はわたしの衣装は、家政学部生活造形学科の青木先生のゼミによるデザイン・製作となります!!
先日、仮縫いの作業がありましたが・・・コロナでzoomによる衣装確認に変更。



送られてきた仮縫い用の衣装を身につけて、自撮りし、打ち合わせの前に送信。
その映像を元に、先生方、学生さんたちとzoom会議。
新しい時代に入ったなあ、、、と感じました。



資料の共有など、俄然、やりやすいです。

パワーポイントを大画面に写して・・・みたいなことがどんどん古めかしくなっていくのでしょうね。





昨日はお稽古納めでした。
お稽古動画、やはり充実させていきたいなあ、と思います。
自粛期間中、生徒さんたちのみに数本、限定公開でお送りしましたが。


やはり活用してくださっているかたは上手に活用してくださり、格段に上手くなっているので。




配信ペースなども考えながら、スタートしてみたいと思っています。


どたばたのなかで、ようやく「持続化給付金」の申請が完了しました。
来年度以降、フリーランスのサポートシステムはどうなるのかなあ・・・

 

日本は文化への支援、補助が遅れていると感じていましたが、コロナの騒動のなか、意外とこういった支援があって、ほっとしました。


生徒さんからの支援やサポートにも助けられました。
もちろん金銭的な意味だけではなく、機材運搬を手伝ってくださったり、精神的な面でも。
お稽古に、来てくださっているだけでも、気持ちの上でどれだけ助けられているか、わかりません。



YouTubeなどのお稽古動画を充実させて、リアルのお稽古での上達にも役立てていただけたら、と感じています。

 




2021年・・・丑年は昨年亡くなった父の干支🐄
一度は奈良に来てもらいたかったです。



そして今年は何より、佐々木冬彦さんの訃報がショックでした。

考えてみたら、わたしの笙や雅楽とのお付き合いよりも古いお付き合いだったのですよね。。。



素晴らしい演奏家、作曲家。盟友。

彼の作品を紹介する記事ももう少し、書き綴りたいです。



1月のコンサート、2月のコンサートのことも少しずつですが、アップしていきますので、どうぞよろしくお願いいたいsます。


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2020年12月24日 (木)

2018年の今日を思い起こせば

何度か書いていますが、

2018年12月24日午前2時ごろ、わたしは東京の宿泊先のホテルで大量下血、救急車で某大学病院に搬送されたのでした。

2年前の今頃は病院のERで、緊急を要する患者さんたちがひしめく病室にて、(いったい、どうなるの〜???わたし〜!?)と思っていました・・・(サンタさん、すごい「サプライズな」プレゼント、ありがとう!?)と思いながら(笑)。


あの時は、普段だったら抜けられそうな出口や突破口が全て閉じてしまった感じでした(例えば、直前に血便がだらだらと出てきていたのですが、数年来お世話になっていた行きつけの都内某大腸専門の病院に駆け込もうとしたその日から、改修工事に入ってしまっていた、とか!そのちょうど1ヶ月ほど前から、20年来お世話になっていた鍼灸師さんがご病気で、治療もアドバイスも受けられなくなってしまったとか!)。


直感で、これは、絶対に逃げきれない何かだ、体験しなければならない何かだ、、、と感じていました。


実際、ものすごい転機の始まり、でした。。。

今年の9月から受け始めた治療がようやく効を奏し始め、生活が変わるスピードが加速化。

また、元に戻りそうになると、てきめんに身体が教えてくれる(具合が悪くなる)ので、すぐに軌道修正ができるようになってきています。

この2年でメンタルの鍛え抜かれたことといったら。。。。


まだまだ、来年も騒がしくなりそう。。。(笑)。



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2020年12月22日 (火)

盟友の死を悼むーーー③

*この一連の記事は、前の記事にも書きましたが、佐々木冬彦さんの追悼のため、というよりは、自分自身のために書いています。

前の記事①
前の記事②

書いているうちに、ようやく気持ちが落ち着いてきた。
ただ、未だ実感はない。
今も書きながら、佐々木さんのブラームスの演奏が脳内再生されてくる。深い悲しみよりは、賛嘆の気持ちと陶酔感にひたる。

でも、ふとした拍子に(だいたい、まったく関係がないとき、例えば立ち寄ったカフェで、あ、コーヒーが美味しいな、と思ったりしたときや、明るい朝日に包まれて、ふと幸福感を感じたその瞬間とか)涙が溢れそうになって困っている。

わたしは大学に入学して、志すともなく雅楽のほうに惹かれ、学部の3年生の頃から少しずつ東京楽所で舞台のお仕事をいただくようになっていった。

卒業後も、当時年に10ぐらい、レコーディングから音楽祭から、銀座雅楽堂での定期公演から、さまざまなお仕事があった。

当時のわたしはコラボのようなものより古典への傾倒が強く、たまに現代作品のようなものの演奏のご依頼を受けても、内容に納得がいかないものはお断りしていた。。。

作曲家の佐々木さんとは、まったく接点がなくなっていた。
ハーピストとして活躍し、福井のほうでハープのための作品の作曲で賞を取られた、という話を風の便りにきいた。

その佐々木さんと再び出会う機会となったのが、「東京の夏音楽祭」の一柳慧先生の作品。
サントリーホールの大ホールでの演奏で、かなりの人数の演奏者が舞台にのる曲だった。

まさか、そんなところでご縁がないと思っていた佐々木さんと接点ができるとは!

リハや本番で佐々木さんと何をお話したか、覚えていない。
大人数が舞台にのるため、双方、それどころではなかった気もする(笑)。

演奏も、この作品のなかで東京楽所は、オーケストラやさまざまな正倉院の復元楽器チーム(このとき、佐々木さんは箜篌)に囲まれながら、管方装束をつけて古典曲をまったく手を加えずに演奏する(確か春鶯囀入破1曲、だったと思う)、というものだった。

本番の日、東京は当時まだ珍しかった、大変なゲリラ豪雨に襲われ、地下鉄の駅の階段を登ろうとしたときに、鉄砲水のようにどっと雨水が流れ込んできたのを覚えている。

銃数年ぶりにお会いしたときに、佐々木さんもこの雨のことは覚えていて、すぐにその話になった。。。

このときの接点があり、また篳篥奏者の中村仁美さんにも曲を提供されたりしていることなどを知り、2009年、柏市の主催・わたしの企画でコンサートをする際に佐々木さんに入っていただく案を思いついた。

 

 

このコンサートは、
笙 中村華子 伊藤えり
篳篥 中村仁美
龍笛 太田豊
ピアノ 高橋全
ハープ 佐々木冬彦

という、奇妙な編成だった。映像から全体構成からすべてわたしの発案だったけれど、ピアノとハープはすごく相性がいいように思えた。

実は、当初は佐々木さんではなく、今年の10月、わたしのお初の京都からのライブ配信でご参加いただいた、パーカションの岡部洋一さんにお入りいただく案も考えていた!

それはそれで実現していたら、非常に面白かったと思うけれど、やはりあのとき、わたしが必要としていたのは佐々木さん、だった。

結局、佐々木さんには当日演奏したコラボの曲の大半にお入りいただくこととなり、また楽曲も提供していただいて、コンサートの内容がとても豊かになった。

ミュージシャン、作曲家にはいろいろなタイプの人がいる。
クラシック系の人は、ともすると気難しい人も多い。

でも、佐々木さんには、わたしがまだまだコラボや即興演奏に不慣れだったにも関わらず、どれだけ助けていただいたか、わからない。

演奏の技量だけでなく、敬虔なクリスチャンでもいらした佐々木さんは、人に対する許容度の幅が広い人だった。
佐々木さんの、機嫌がよいときの「ウフフ・・・」という笑い声を鮮明に思い出す。ウフフと笑われて単純なわたしはほっとしていたが、あのウフフにもいろいろな思いがあったのかもしれない。。。

音楽やご自身に対してあれだけ厳しい人だったから、もしかしたらわたしのおっとり刀には、内心イライラもされていたのではないか。
高校時代からの知り合いという気安さから、作品に対しての意見や感想などもずばずばお伝えしていたが、それも意見として、対等に聞いてくださっていた。

仕事を一緒にするたびに、成長させていただいたような気がする。

2008年から2009年はわたしの運命が大きく動いた年。
初のデビューCD「祈りの海へ・・・」の制作、リリースによって、40半ばにしてようやく、コラボというものにもっと真剣に関わろうと思い始めた頃。さらに佐々木さんとのコラボによってわたしの経験値はぐんとあがった。

このコンサートは評判も大変よく、演奏者同士でも、終わったあとは皆で、「またやりましょう!」というお話もしていたのだけれど、この規模、この人数でやらせていただける企画は、その後なかなかわたしのところに舞い込まなかった。。。

(続く)



12月22日
佐々木さんのYouTubeチャンネルをリンクさせていただきます。
わたしもまだ聞いたことがない佐々木さんの作品、佐々木さんが愛されたドイツ・フランス音楽がアップされています。
何より、素晴らしいご自身の演奏と作品。
たくさんの人が目にされ耳にされますように。
末長く、たくさんの人に愛されつづけますように。

https://www.youtube.com/channel/UCQ1vqH2NGcMWREmkpOJi2iw


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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今年最後の東京教室も終わりました

先月からようやく、東京教室を再開しました。

都内の自主規制がきつくなってきているので、参加のお申し込みをしてくださった生徒さんたちにも、再度、参加の意思を確認、体調がすぐれない、感染に不安を感じるかたはお休みしてください、とお願いし、その上で感染症対策に則ってのお稽古、でした。

来年は、東京、関西、どちらもグループレッスンや合奏が増えるかもしれません。

YouTube動画も増やしたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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2020年12月18日 (金)

佐々木冬彦さんの訃報に接して②

*この一連の記事は、前の記事にも書きましたが、佐々木冬彦さんの追悼のため、というよりは、自分自身のために書いています。


ここ10年ほど、わたしのほうでお仕事をお願いしたり、お願いされたり、それほど回数が多いわけではなかったけれど、佐々木さんとのご縁は長い。

初めてお会いしたのは、東京芸大受験のために通い始めたソルフェージュの教室だった。
それもあって、一緒に受験を戦った「盟友」とつい、お呼びしたくなる。もちろん、ここ数年の仕事でも、結構大きな舞台もあり、わたしは依頼を受けた側であるが、佐々木さんとともに「戦って」きた感じというのは・・・なんとなく、ある。

佐々木さんは実は、高校では後輩(本当は今でも、佐々木くん、と呼びかけたい)、大学では「先輩」。

ストレートで入学された佐々木さんと違い、わたしは病気もあったりして2浪している(高校3年生にあがる直前に、原因不明の熱が下がらなくなり、大学病院で一度、膠原病に認定された)。

2浪目の受験準備のときには、楽理科の試験科目「和声」の勉強のために、わたしは佐々木家に通い、「佐々木先生」の教えを請うことになった。大学の先生のところに通うよりは、お稽古料も安くなるでしょう?というソルフェージュの先生のありがたいご発案から、だった。
それまで後輩で「佐々木くん」と呼んでいた人がいきなり先生になってしまった。

前の先生とは違い、大学に入学したての佐々木さんは、和声課題を仕上げるコツの教えかたが格段に上手で、おかげで入学後、わたしは和声の成績はとてもよかった。

佐々木さんはお父様が芸大の美術学部の教授で(名誉教授の佐々木英也先生)、お家に伺うとグランドピアノの横にはきれいな美術書が壁を埋め尽くすようにびっちりと並んでいて、当時クレーやマグリット、ルドンなどの絵画に惹かれていたわたしは、非常に羨ましく思った。

和声のレッスンが終わったあとは、和声にこだわらず、佐々木さんの音楽講釈が伺えて、むしろそちらのほうが楽しかった。

佐々木さんの作品は、フランス和声風の作品も多いように思う。わたしが関わった「天国の扉へ」や、「その橋は天へと続く」は、まさにフランス和声色が濃い(芸大の作曲科の人たちが必ず勉強する、シャラン風・・・と言ったら怒られるかな?)。

でも、佐々木さんの原点は、ドイツ音楽、ドイツ和声のほうだと思う。

ブラームスのシンフォニーをスコアを見ながら聴くと勉強になるよ、とか、堀米ゆず子さんが弾くブラームスのバイオリンソナタを聴かせてくれたり。ブラームスはピアノ・コンチェルト以外あまり聞いたことがなかったけれど、バイオリン・ソナタはその後しばらく愛聴するようになった。

どちらかといえばドビュッシーやラベルなどフランス音楽が大好きだったわたしにとっては、新しい体験だった。

ちなみに、当時の佐々木さんに、わたしはドビュッシーが好き、という話をしたところ「ドビュッシーなんて、あんなの4度と5度の(音程の)連続でばっかりで、つまらないじゃん!」と返され、ひどくがっかりしたのを覚えている。
今でこそ「月の光」!「亜麻色の髪の乙女」!ともてはやされる時代になったけれど、当時、ドビュッシーは人気がなく、特にアカデミックな教育の周辺では、軽く見られていたようだった。

高校のとき、ピアノが驚異的に上手い同級生の家に遊びにいったときに、「ドビュッシーなんか弾けても、音大受験の点にはならないから」とお母様があっさりおっしゃり、(そういう形で音楽に接する考え方があるのか・・・)と驚いたのも覚えている。

話がそれた。

後年の佐々木さんの作風がフランス音楽風に変わり、舞台の楽屋で話していたときにドビュッシーを絶賛されていたので、内心、(あらら、佐々木さん、宗旨替え?)などと思ったりもした(笑)。受験のときのころのご発言のこと、話せばよかったな。。。苦笑されたことだろう。

人はーーー音楽家に限らず、小説家、画家、クリエーター、アーティストは自分の人生が終わりに近づくときに、原点に戻るみたいだーーー

(例えば、パウル・クレーの最晩年の絵の筆致は、クレーの子供の頃の絵の筆致に似ている)。

最後に佐々木さんのFacebookにリンク付けされていたYouTube動画は、佐々木さんの昔のCDの、ブラームスの演奏だった。
ご本人も書かれている通り、奇跡の演奏。ドイツロマン派の重厚なロマンティシズムに溢れる、まさに佐々木さんでないとできない演奏。。。佐々木さんはどう思われるか、わからないけれど、改めて聴いてみて、ドイツロマン派ながら、とても日本人らしい演奏のようにも思える


 

 

佐々木さんのFacebook最後の記事に、

 

「最近youtubeにあまり投稿していなかったのですが、久々にアップロードしました。「僕の葬儀のときはこれをBGMに流してほしい」とエンディング・ノートに書いたブラームスの間奏曲4曲です。この録音は自分の演奏家人生で最も深い奇跡を感じた演奏のひとつです」

 

と、あった。。。このとき、すでに病状は悪化していたのだろうか・・・・

この記事は多分、わたしはfacebookで、佐々木さんがアップされたころに、「リアルタイム」で目にしていた、、、

なぜあのとき、すぐに連絡を取らなかったのだろう。コメントに書き込みだけでも、すればよかった。。。
前の記事にも書いた「最後のCD」ご発言のときのように、(ちょっとちょっと、佐々木さん、エンディング・ノートはいくらなんでも、早すぎない?)と感じたのは覚えている。。。

(もう、佐々木さんはほんと、完璧主義者よね、、、、ずいぶんと、準備がいいなあ)。

もちろんお話ができたところで、病気そのものをどうにかすることはできなかったけれども。。。。

追記・12月22日
佐々木さんのYouTubeチャンネルをリンクさせていただきます。
わたしもまだ聞いたことがない佐々木さんの作品、佐々木さんが愛されたドイツ・フランス音楽がアップされています。
何より、素晴らしいご自身の演奏と作品。
たくさんの人が目にされ耳にされますように。
末長く、たくさんの人に愛されつづけますように。

https://www.youtube.com/channel/UCQ1vqH2NGcMWREmkpOJi2iw


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

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2020年12月16日 (水)

盟友の死を悼むーーー佐々木冬彦さんの訃報に接して①

Facebookをたまたま見ていて、「佐々木冬彦」さんがタグ付けされた記事に目が止まり・・・若い頃からのお友達だったかたのようで、「訃報を知り」などとあって、一瞬、混乱した。


え?「訃報」?何の話?



大好きな星野道夫さんの最晩年の作品を読み直していたときで、生と死、運命、命の循環などに思いを巡らせていて、やや気持ちが鬱々としていた。眠れなくて、この佐々木さんの訃報について書かれた Facebookの記事を見つけたのも、確か夜中の2時か3時ごろだったと思う。


混乱。。。記事によると6月に急逝されたとある。


ひどく混乱。

思考が・・・まとまらない。


だって、佐々木さん、最近もFacebookに文章もアップされていたはずで、、、、あれは・・・?
そうそう頻繁に記事を書く人ではなかったし。。。

 Facebookを確認したところ、最後の佐々木さん自身による投稿は5月末だった。。。


この記事を読んだのは覚えていて、(あー、CD、追加で送っていただかなきゃ。。。久々に連絡してみよう)と思っていながら、連絡できなかった。。。


そのことを今、とても悔やんでいる。。。


ネット内の情報を明け方4時か5時ぐらいまで探し回ってしまった。うそだ、そんなはずないと思いながら。


でも、調べるほどに訃報が確からしいことがわかる。。。




最後にお会いしたのは2017年。。。


長らくこのブログをご覧くださっているかたはご存知かと思うけれども、わたしは2015年から2017年にかけて演奏、収録された佐々木さんの作品、「その橋は天へと続く」に笙の演奏で関わっていた。

佐々木さんのCD「愛について」に収録されることとなり、1月に千葉のホールで録音、5月ごろだっただろうか、マスタリングの音の確認のため、東京のコジマ録音さんにお伺いしたのが、最後となった。

作曲家で名ハーピストであった佐々木さんは、このCDを録音した年を最後にハープの演奏からは、一線を退かれてしまう。

CDの録音のときから「このCDは、僕の最後のCDになるから」と、繰り返し言っていた。。。

わたしはわたしで「何言ってるの? まだまだ、これからでしょう? 作曲だって演奏だって」と、高校時代からお付き合いの長い佐々木さんには軽口を叩いたりしていた。


完璧主義者の佐々木さんの「ご謙遜」だろうと。


そのときは一緒に演奏した市坪俊彦さん(ヴィオラ)もそう感じられていたようだった。
収録は真冬だというのに奇跡的に暖かくなったその日の気候も手伝って(笙の録音にはまさに天佑だった、、、と確かブログかfacebookに書いた。録音中暖房は切られてしまうので)、始終明るく、朗らかな雰囲気で進んだ。

「最後のCD」だなんて、信じられなかった。

目が・・・片目が見えなくなってきている、というお話はちらっと伺っていた。
ハープはピアノなどと違ってたくさん並んだ絃を目で確認しないと演奏ができない楽器なのだと。


「でも、絃を例えば色分けしてみるとか・・・」力なく提案してみたのを覚えている。


でも、そうだよね・・・自分に厳しい人だから、中途半端な演奏が続けられる、だけでは、だめ、なんだよね。。。

 

何も言えなくなった。


CDが販売され、ライナーノーツを読んで、初めて事情を知らされる。
状況はもっともっとご本人にとってーーーわたしが想像していた以上に、厳しかった。。。。

2011年の東日本大震災からの暗い精神状態から、ようやく立ち直ってのCD作品であったこと。
目のことだけでなく、鬱病やパニック障害のこと。

CDの誕生をお祝いしつつも、佐々木さんが体験してこられた数年の、あまりの重さに、しばらくどう接していいのか、わからなかった。

わたしが参加させていただいた作品のレコーデイングの際の佐々木さんの音が、これまで聴いたこともないくらい豊かで幅があり、しっとりとしていて、何度も「今日、どうしたの?なんかいつもと違わない? 音がーーーしっとりしている。すごく潤いを含んで湿度を帯びている感じ」と思わず言ってしまったことは、このブログのどこかに書いたような気がするけれど、「愛について」というCD全体のタイトルを聴いて(それは奥様と演奏された別の収録曲のタイトルでもあるのだが)、何かものすごく腑に落ちてしまった。言葉にすると陳腐だけれども・・・あの音の深さは、「愛について」だから、と言われてすぐに納得してしまうぐらい、体験したものでなければ、わからない出来事だった。

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(CD収録風景。君津市民文化ホール2017年1月30日)

CDは大ベテランのコジマ録音さんの手で素晴らしい響きで仕上がっているけれども、佐々木さんの生の音は忘れられない。
2015年からこの作品の演奏が始まって、何度か舞台でも共演させていただいたが、ホールの音響ももちろんあるとはいえ、佐々木さんの、命を振り絞っての音だったのだと、今、さらに強く感じている。

 

文章が少し長くなっていくと思う。

そしてこの文章は間違いなく、自分自身のために書いている。



「死を悼む」などとしおらしいことを書いてみても、結局は残されて生を続けていく自分自身のためのものだと感じる。



まだ、混乱が収まらない。



日々の生活は続いている。笑ってるし、食事もしている。



でも、こういうときのわたしは・・・ものすごく深いところで傷つき、不安に感じ、怒りを覚え、そして後悔している。



そして放っておくとじわじわと傷が意識を侵食してくる。。。



冬の朝が、ますます辛い。起きられない。


そしてさまざまなことに手がつかなくなっている・・・




気持ちを整理するために、もう少しこの長文にお付き合いください。


(続く)

追記・12月22日
佐々木さんのYouTubeチャンネルをリンクさせていただきます。
わたしもまだ聞いたことがない佐々木さんの作品、佐々木さんが愛されたドイツ・フランス音楽がアップされています。
何より、素晴らしいご自身の演奏と作品。
たくさんの人が目にされ耳にされますように。
末長く、たくさんの人に愛されつづけますように。

https://www.youtube.com/channel/UCQ1vqH2NGcMWREmkpOJi2iw


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2020年12月 5日 (土)

来年度のコンサート(2)京都女子大学創基100周年記念コンサート


大学へのお申し込みは、
下記リンクから直接。

わたしのほうでもチケットはお手配できますので、お渡しできる機会があるかたはそちらでも。。。

ご存知のかたも多いと思いますが、約2年前の1月、同じ会場で行われた京都女子大学ニューイヤーコンサートに出演する予定でしたわたしは、その前の月に病気で入院してしまいました。

病室に譜面も持ち込み、なんとかして1月のリハーサル、そして本番に参加しようと頑張っていたのですが・・・

再度、大量出血して輸血・・・演奏をご依頼くださった佐藤先生に泣く泣く状況を説明し、出演できません、と電話をしたのが12月31日のことでした。
共演者、関係者多方面にわたり、多大なご迷惑をおかけすることとなり、正直なところ、精神的にも大打撃、でした。

そして何より、演奏できないって、辛いです。。。
悔しいとか、迷惑をかけて申し訳ないとか、そういったこと以前に、辛かったです。



ただひとつ幸いだったのが、若手の立木貴也さんが難なく代役を務めてくださったことです。

お正月もなくなってしまって申し訳なかったのですが、退院してすぐでした本番を聴きにいって、とにかくほっとしました。


今回、再度お声がけいただけて、本当にありがたいと思っています。

コンディションを整えてのぞみたいと思っています。


******************************************

日時:
令和3年2月6日(土)午後7時開演(午後6時開場)
場所:京都コンサートホール 大ホール(京都市左京区下鴨半木町1-26)
   京都市営地下鉄烏丸線「北山駅」下車、徒歩3分
内容:
「共に生きる 共に響く」と題し、京都女子大学の100年間を振り返り本学にゆかりのある方々の作品を取り上げます。事前収録した音楽教育学専攻在学生の女声合唱による仏教讃歌をスクリーンに放映し、お聴きいただきます。また、大学創基100周年を記念して創られた新曲発表や、最古の仏教讃歌である〈法の深山〉の独唱、西洋音楽を取り入れながら発展をしてきた日本の唱歌をピアノ演奏、また仏教音楽の中から交声曲≪歎異抄≫などを生演奏中心にお届けいたします。京都女子大学創基100周年にふさわしい本学ならではの響きを心ゆくまでお楽しみください。
出演者
ソプラノ:ガハプカ奈美(本学教授)
バリトン・指揮:田中 純(本学教授)
ピアノ:大谷正和(本学教授)
    土居知子(本学教授)
笙:伊藤えり
打楽器:前川典子
女声合唱:本学音楽教育学専攻学生・表現文化専攻学生

主催:京都女子大学
入場料:無料(事前申込制)
申込方法:下記フォームよりお申し込みください。
申込締切日:令和2年12月11日(金)
https://www.kyoto-wu.ac.jp/form/d100concert/index.html

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さて、今回、変わった趣向がありまして。
チラシ裏面にもあります通り(黄色の囲みの説明通り)、わたしが当日着装する衣装は、学生さんたちの「手作り」となります!

これ、嬉しくないですか(笑)!

最初、この案をご提示いただいたときに、感激しました!


すでにデザインもあがってきていて、今月、仮縫いにも伺わせていただきます。


こちらもどうかご期待ください!

 

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2020年12月 4日 (金)

来年度のコンサート その1(1月31日@京都ラ・ネージュ)

2020年、ようやく12月、というか、もう12月、というか。。。

今年は世界全体が大きく変化した年です。
もちろん「現在進行形」、まだまだ変わっていくと思います。

先月はようやく、東京教室復活。

十字屋ミュージックサロンさんは満席、関西のほうは、余裕ができたら、来年、少し生徒さんを増やすかもしれません。



来年度のコンサートご案内。1月31日のコンサートから。。。

(画像がうまく取り込めないので、文字情報のみ。。。)

京都・ラ・ネージュさんでのコンサートです。以下、ラ・ネージュさんのFacebookページからコピー。

 

  • お申し込みは

    090-8141-6350 (ラ・ネージュ)
    (ラ・ネージュ)へ。

    席数20。お早めに・・・。


    *******************************
    2021.1.31(日)14:00~(開場は11:30)
    Gathering under the aurora

    @La Neige
    伊藤えり(笙、ライブ・ルーピング)
    伊藤麻衣子(オルティンドー)
    高島智恵(写真) 50音順
    入場料:3500円(定員:20名・予約制・お茶付き)

    昨年5月、智恵さんのオーロラの写真展を企画しました。
    笙のえりさんがその中で何かされるかも…→コロナ下でonline開催となり、逆に素敵なオーロラと笙の素敵な動画が生まれました。(↑のQRコードを参照ください。)
    その展覧会で、元々えりさんとも智恵さんとも繋がりのあったモンゴルの歌唱オルティンドー歌手の麻衣子さんとも繋がり、どうしても生で笙もオルティンドーも体感したかった私はラ・ネージュが暫くお休みする前の最後の企画として、オーロラの下にお三方が集われるコンサートをお願いしたのでした。
    魂も身体も震わせる響きを体感ください!
  • **********************************

    今年、音楽をつけさせていただいた

    https://youtu.be/cJzLAnO33LA

    こちらのオーロラの映像の音を録音した場所です。

    笙の響きが最高にきれいな場所。

    是非とも生でお楽しみいただけましたら、と思います。

    どうぞよろしくお願いいたします。

    次回の記事は2月6日、京都女子大主催のコンサート@京都コンサートホールのご案内・・・。
    そちらもどうぞよろしく!

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