3月21日夕刻から上遷宮祭が無事、執り行われました。
上遷宮祭というのは、修理や建て替えが終わったご神殿に神様がお戻りになられる儀式のことです。
下遷宮が、神様に臨時で仮のお社にお移りいただくこと。
下遷宮祭は一昨年催行されました。
このときは規模もやや小さく、三管だけでの奏楽でした。
今回は六名での奏楽。そして「翁」のご奉納もありました。
Photo by Kyoko Takami
道楽もありました。薬師寺の金堂に向かって一礼。
Photo by Kyoko Takami
笙の生徒の皆さんの調子のご奉納演奏。
祭典楽で、笙のみの調子の奏楽というのは滅多にないと思います。
生徒さんたちにとっても貴重な機会となりました。
Photo by Takashi Banba
金春穂高さんの「翁」のご奉納。
ご神事の重さと格式。あたりがどんどん暗くなるなか、荘重に。
Photo by Kyoko Takami
最後は薬師寺・加藤朝胤管主と薬師寺のお坊様がたによる般若心経の読経。
奈良ではそれほど珍しくはないようですが、純粋な神道の祭典のなかで読経が響き渡るのは、なんとも不思議な感じがします。
おそらく上遷宮の最古の記録は室町時代のもののようですが、そのときの様子は、神道の祭典というよりは、仏教の法要です。
まるっきり内容が「舞楽法会」なのです。
加えて、能楽、猿楽、延年、果ては白拍子舞まで、地元の伝統芸能が盛りだくさんで行われていたようです。
個人的には。。。
2020年で奈良に引っ越してきて9年目に入ります。
地元・休ケ岡八幡宮での祭典で奏楽のご奉仕をさせていただけたことは、ひとつの節目とも思える出来事でした。
お誘いしたかたからのご感想。
「青空から星空へ移り変わる中
厳かに行われ、神社、寺、雅楽、能、混ざり合い
小宇宙の空間が現れた気がしました。
気のせいかな?
帰り、次の日
妙に眠かったのはこの場のエネルギーの影響?ただの寝不足・・・
雅楽の音色ステキです 」
By Chieさん。感謝です!
そうなんですよね。
古い奈良の土地にいると、宇宙が、なぜか身近に感じられる。。
古代の人たちも今のわたし達よりもっと鋭い感性をお持ちだったと思う。
そうやって感じ取った空気や気配や印象を仏像にしたり、建築にしたり、絵画にしたり。。。そして雅楽や舞にしたり。
夢と妄想は膨らみます。
コロナの騒動で催行も危ぶまれていたご祭礼。
祈りの時間を皆でもてたことは、奇跡だったのかもしれません。
このお祭りの直後、神社様の社務所も6月まで一時閉鎖となりました。。。
本当に、ぎりぎりのところでの上遷座祭だったと思います。
夏目宮司、薬師寺山本様、そしてお忙しいなかをご参集くださった楽人の皆様、ご奉納に集ってくれた生徒の皆様。
写真を撮影し、ご提供くださった、高見様、馬場様。
関わってくださったたくさんの皆様。普段からお支えくださっている皆様。
ありがとうございました。
代え難い時間を過ごさせていただきました。
このところコロナのおかげ(?)で、時々、一瞬一瞬が本当に貴重に思えることがあります。
以前にも増して。
思えば、一瞬一瞬が「奇跡」、なのかもしれません。
出会いの奇跡、ご縁の奇跡。
うかつにも、気がつかなかった有り難さ、です。
このご時世。
どの情報が確かなことなのかもわからず、不安に飲み込まれそうなことも正直言ってありますが、人智を超えた事象には、古代の人たちも祈りを捧げ、ただひたすらに平安を祈り、願ったことと思います。
祈りの地、奈良にいられることの幸いを噛み締めつつ。
明日から週末は、大阪が自主規制。
奈良は、少なくとも奈良市は、感染者が一応、ゼロになりました。
先のことは考えず、今に、集中します。
4月ごろからYouTubeに力を入れます。
これはコロナ騒動が始まる前から、生徒さんたちにも言っていたことで。。。
笙の教室だけでは、頑張ってもわずか数十名にしか、貴重な奏法を伝えることができません。
でも映像なら、もっともっと多くの人にお伝えすることができます。
ここ数年、ずっと想い続けていました。
そして、新しく創っている音楽もYouTubeならより多くの人にお届けできる。。。
こちらも、このブログを始めた2009年からずっと想いつづていることです。
一昨年から病気に見舞われ、活動をスローダウンしました。
慢性疾患なので、長い「お付き合い」となっていますが、ここ数ヶ月で、ようやく病気さんともお付き合いの仕方がわかってきたような気がします。
今できる最善を尽くしていきたいと思っています。
チャンネル登録や高評価、どうぞよろしくお願いいたします。
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