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2020年2月 8日 (土)

笙の、奏法で最重要なこと 音取など(1)

雅楽の合奏では、篳篥、そして龍笛が全体の「主導権」を握ってしまいます。

雅楽で指揮者の役割を果たすのは鞨鼓、とよく言われます、

そういう部分もありますが、例えば篳篥が「アイウエオ」と言ってきたら、鞨鼓ではどうしようもない部分の方が圧倒的に多い。

鞨鼓が「アーイーウエオ」と演奏したいんだよ、、、と言ってみても、篳篥さんには通じない(笑)。


。。。ことが多いです。
ですが、鞨鼓の一打がものを言う部分もあります、もちろん。


雅楽は「この部分は篳篥、この部分は龍笛、この部分は笙、この部分は箏が、イニシアチブをとる」というのがかなりあって、そこの部分は各楽器がしっかりしないと。他の楽器はそこは委ねないと。

昔、多忠麿先生が「雅楽は、ひっぱり上手、ひっぱられ上手にならないと!!」とおっしゃっていたことが思い出されます。。。

(先生のご注意はいちいち、深かった。。。。何十年もたってから響いてくること、わかってくることがたくさんあります)

 

 

雅楽は、全員が指揮者並の能力があるのが理想的⭐️ではあります。

 

笙は、陰でずっと和音を奏でていて、壁紙のような役割、と言われています。

光降るような音、とか言われていますが、実際にはかなり地味な役割です(笑〕。

 

ですが笙は、音楽のなかで、最重要の役割をになっています。


ひとつはピッチ(律)。

もうひとつは全体のテンポ感。

曲の転換部分、節目節目で拍節がゆるくなるところのテンポ感をうまく間をもたせつつ次へと繋ぐこと。。。




もちろん、笙の演奏を聴く習慣がある、上手な人たちの合奏でのお話です。。。



今日書きたいのは音取のことで、前置きが長くなりましたが(笑)。

笙は息を「張る位置」(洋楽的に言えばクレッシェンドをかけるタイミング)によって、拍節感、テンポ感を出していく楽器です。

 

もちろん、手移りのタイミングも大事ですが。。。

 

その前の息を張りはじめる位置が大事で、その流れがあってこそ、の手移りです。

 

その流れをいかに上手につくれるか。



雅楽を始めてそろそろ40年近くになりますが、その大切さがますます見にしみてくる今日この頃です。

 

(続く)

 

 

 


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