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2020年2月 9日 (日)

笙の、奏法で最重要なこと 音取など(3)

笙だけではなく、篳篥、龍笛でも拍節感は非常に大事です。

洋楽から比べたらはるかにルーズな雅楽の拍節感。
でも、上手な人が服と、周りにきちんと伝わるから不思議です。


芝祐靖先生の自由な音頭でも、どんなに間合いがあっても、次の拍の頭はここ、というのがちゃんと伝わってくる、あの自在さ。

 

 

「音取の最初の合竹、その後の一竹吹き数拍で、次の篳篥の動きが決まり、龍笛の動きが決まり、鞨鼓、琵琶、箏の動きが決まる。

その音取のテンポによって、次の曲の龍笛の音頭のテンポ、付け所からのテンポが決まる、

そうやってその日の演奏会全体のテンポや雰囲気が決まる。。。最初の数音で全てが決まるのだから、どれだけ笙の責任が重大か・・・」

 

「はい、じゃあやってみて!」

と、十二分のプレッシャーを与えておいて、忠麿先生は合奏会で生徒に吹かせるので、わたしたちはどれだけ緊張したことか(笑)。


でも、本当に「すべてがみな、繋がって、関連して動いている」と雅楽の音のつながりを大きく、壮大にとらえたら、そうなのだと思う。

よく雅楽のレクチャーで「調子はチューニングとともに場の雰囲気を整える」云々という説明をするし、たくさんの演奏会でそのような説明を聴くことも多いと思うけれども、

 

これを本気で考えている人は、少ないと思う。


そして言い訳になるけれども、思ったように音取が決まることは少ない。
緊張しているときはやはり早くなるし、楽器のコンディションがよくないときは気替えを早くにしてしまうこともある。

短いせいもあるけれども、すごくうまくいっている音取は、誰も気にもとめないことが多い。


演奏するほうも、実は何も気にしないですっと吹いて、そのまま次の曲へ入る、というのが理想。


能や歌舞伎のように、何かを表現したり、披露するような感じが雅楽にはないから、昔の大名人たちは本当にかわいそうな気もする。。。



わずかに残るレコーディングなどを聴いて、「これ、さりげなくやっているけれど、実はすごいんだよ」ということは生徒さんたち、雅楽に関心のある人たちに伝えたいと思う。


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