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2019年12月 3日 (火)

父が他界しました。。。

書きたい記事の下書きが溜まっていたのですが。。。

先月18日、父が急逝してしまいました。
倒れてあっという間のことで、デイ・ケアの施設から連絡が入ったときには、「一度意識が戻った」ということだったので、淡い期待も抱いたのですが。。。

虫の知らせか、ああ、今回は厳しい、、、と感じました。
そして残念ながら、その知らせのほうが当たってしまいました。

父は退職後、写真の世界に没頭し、地元手賀沼の写真集も出版しています。
娘のわたしが言うのもなんですが、素晴らしい写真集だと思います。

そして、あれよという間に、有楽町のフォトギャラリーを借りて個展を開くまでに。。。
アマチュアでしたが、専門写真誌などで、数々の賞もいただいていたようです。

2009年、柏市からのご依頼をいただき、コンサートを開きました。
古典、オリジナルをとりまぜたコンサートで、ということでしたが、打ち合わせの段階で担当者から、「お父様の写真を背景に投影してみては?」というアイディアをいただきました。最終的にプロジェクター2台で父の写真を投影しながらのコンサートとなりました。

最初で、最後の父娘によるコラボでした。。。(YouTube内の写真も迦陵頻の映像の数枚以外は父の写真です)。
ブログ内ですと写真が見づらいと思いますので、YouTubeに入っていただいてから開くと、少し大きめの画像でご覧いただけると思います。

 

 

 

わたし自身が、雅楽のような難しい世界に入ってしまったので、父との意思の疎通が難しかった時期も長かったのですが、晩年は心から応援してくれているのが伝わってきて、どれだけ心強かったことか。。。

何十年も前のことですが、国立劇場で東京楽所による天皇皇后両陛下(現在の上皇様上皇后様)ご天覧の公演があり、笙で参加させていただいていました。

母と一緒に聴きにきてくれたのですが、父は、それはそれは感動したみたいで。。。

帰りに寄った赤坂のお寿司屋さんで、さんざん板前さんに自慢をするので、恥ずかしかったのですが、同時に、もちろん、嬉しくもありました。


やっと、少しは理解してもらえたのかな、、、と。


まだ、東儀秀樹さんさえ世に出ていなかった頃のこと、雅楽なんて、ほんとうに知られていない世界の芸能でしたから。。。


当時、父は、まだ会社務めを続けていて、役職にもついていたのに定年前に早めに辞めたいと言って、母を怒らせていました。
部下もいて、責任ある地位にいるのに、、、というのが母の見解。

それでも、わたしと同じで、ものを作ることに生きがいを感じる(と、いうか、やらずにはいられない)性分だった父は、写真のほうに早く着手したかったのでしょう。

また、辞めることで家族に迷惑をかけるようなことはないくらい、すでに父はしっかりと働いてくれていて、業績も出し、生活にもゆとりがありました。母の怒りぐらいで思いとどまる父ではありません。

ところが、今にも、もう明日にも辞める!、、、、というときに、この演奏会を聴いて、父の何かが変わったみたいでした。

あの時、、、父はお寿司屋さんに突然名刺を手渡し、「今度、この店を仕事で使うかもしれないから」と話し始めたのです。

わたしも母も「えっ??」と思いました。


えっ? 「仕事で」って?

辞めるというお話は???

どうしちゃったの???



そして実際、父はあと数年、仕事を続けました。
それもおそらく、自分のため、ではなく、家族のため、だったのだと思います。


でも、わたしが出演した演奏会がきっかけとなって。。。

無言の、父の、初めての「承認」でした。。。



二重にも三重にも嬉しかった、父との思い出です。。。


無口で表現下手な人で、わたしもその下手な言葉尻のほうを真に受けて、よく怒ったりしていたのですが、愛情をそういう形でしか表現できない人だったように思います。

 

 

あの世に行ってしまっても、応援してくれているのかなあ。。。このコンサートのときも、どんな気持ちで聴いていてくれたのかな。。。

 

10月上旬に、突然(会いに行かなくては!)、と思い立ち、千葉の家を訪れたのが最後となりました。
ここ数年はやや太り気味だったので、「少し運動してください」と、鎌田實先生の高齢者のための運動の本を手渡し、一緒に椅子を使って運動したり、わたしも欠かさず続けているリンパケアをしてあげたのが、まさかの最後となってしまいました。。。


パパ、長いあいだ、本当にありがとうございました。。。あちらの世界で、どうかゆっくりしてくださいね。。。

 

 


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コメント

私は常々、『親孝行は親が生きているときにしかできないものだとは思わないでください』と檀信徒に話をします。亡き親のために、残された自分が本分を全うし世間の役に立つことが追善供養という親孝行に結びつくのです。お父様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

投稿: 大原孝宣 | 2019年12月 4日 (水) 10:16

大原さま、

ありがとうございます。

迷惑をかけ通し、でしたが、命のバトンタッチと思って、精一杯走り続けたいと思います。自転車に乗れるようにしてくれたのも、父でした。

支えていた手を離して、走ってる!走っているよ!と全力で伴奏しながら喜んでくれた父。あの時の風を忘れないようにします。

投稿: 伊藤えり | 2019年12月12日 (木) 01:18

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