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2018年8月23日 (木)

笙の、松ヤニと蜜蝋について

最近は、職人さんでも気にしていない人が多くて、困っているのですが、リードの縁を止める際の松ヤニと蜜蝋の硬さは、音色に大きく影響します。

生徒さんの調律をお願いして、楽器が戻ってきたときに、あれ?前と音が変わっている?ということがあります。

青石の塗りと蜜蝋の硬さが大きく影響しているのですが、その話をしても通じない職人さんもいらっしゃり、こちらも困ってしまいます。

昔は、夏と冬とで、硬さを変えていたそうです。

なかなかそこまでできませんが、笙のコンディションには、確かに変えたほうが非常に理想的です。

生徒さんたちの笙の指導の際に、保温器を使うことを諦めました。
ひとり2時間で、例えば20人お教えしていたら、40時間。気をつけていて時々外すにしても、これを続けていると、わずかずつですが、松ヤニと蜜蝋の接着剤が、揮発していることに気がつきました。

笙の先生は通常、楽器はお稽古には持っていらっしゃいません。
多忠麿先生、多忠輝先生、また代稽古にいらしていた若井聡先生、松井北斗先生、どなたも楽器はお稽古にお持ちになりませんでした。
ご存知ないかたには奇異に思われるかもしれませんが、笙のお稽古に関しては、先生が拍子を取らないわけにはいきませんから、このようなことになっているのでは、と思います。また先生のほうは指導をしなければいけないので、笙を温める時間もないので。
ただ、わたしのお稽古は個人指導ベースですので、なかなかお手本の音がありません。そこで思いついたのが保温器の使用。拍子はお稽古を一度その場で録音、再生しながら、生徒さんと一緒に吹く、ということをここしばらく続けておりました。

ですが、やはり保温器の使用は最小限度にとどめなくては、楽器によろしくない、ということが改めてよくわかりました。

サーモスタットもついているのですが、、、言ってみれば「低温やけど」のようなもの、低温であっても長時間はやはりよくない、ということです。


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