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2017年3月31日 (金)

今月は、「振り返る」月、「未来へ向かう」月。。。

明日で3月も終わりですが。

まあ、終わってみると今月はお寺さん神社さん関係のお仕事やご奉納ばかりの月!でした。そしてどれもが自分にとって「重い」意味を持つものばかりでした。

これはお仕事ではありませんが、3月は上旬は東大寺修二会。

これはやはり壮大な行です。年数が古いとか、構成がすごい、とか、それだけではないです!大体、世界的にも音楽の根源って宗教が関わっていることが多いのですが。。。その根源が、これだけ長期間に渡る行として洗練されつつ、古形をとどめて残っているって。。。

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20代の頃から通って通って。

ほぼ全行を若いうちに体験できたのは、幸いでした。
行を体験、、、と行っても、外陣に張り付いて、ひたすら観て、聴いていただけですけれど(笑)。

今回はひさびさに下七日の晨朝を聴聞しましたが、自分の音楽のベースに、修二会の体験が色濃く影響していることに改めて気がつきました。
自分が想像していた以上に、わたしはさまざまな点で修二会から恩恵を受けています。。。

そんな話を書いていると、A4で5枚ぐらいは、すぐに終わってしまいそうですので(笑)、それはひとまず別の機会に!

さて、笙の演奏では、まず、お世話になっています京都・瑞光寺様での元政上人350年遠忌で伶人としてご奉仕させていただきました。

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日蓮宗では珍しい、天台の声明の節回しによる法華懺法はこちらのお寺独自のものだそうで、三管による盤渉調の曲が、しめやかに堂内に響きわたりました。

やはり東大寺修二会にも法華懺法はあります。
でも、その声明の根本はおおらかで明るいです。修二会全体のなかでは、哀調を帯びた雰囲気で響くところではありますが。。。

かたや天台の声明は、微細な音程を駆使して技巧を凝らし、陰影や濃淡があります。
時代のニュアンス、土地柄のニュアンスの違いを反映しているように思います。

今年は特別に奏楽があったということで、貴重な経験をさせていただきました。

翌日3月19日は西宮の妙寶寺様での春のお彼岸法要での奏楽。
こちらではうって変わって春の空気が漂うようにと、双調の曲を奏しました。
「彼岸」からこちら側って、どう見えるのかな。一説には、こちらがわの世界のほうが本当は「死」のような世界だそうな。。。

戻ってこられた魂にも「春の音」は響いてくれたのでしょうか。。。

さて、翌週の3月25日は、薬師寺の休ヶ岡八幡宮にて、生徒さんたちとのご奉納演奏を挙行。
東京、京都、兵庫、大阪の生徒さんたちが集まり、ご神前にて「芸事上達」を祈って調子と陪臚を演奏しました。

全員緊張の面持ち、、、でしたが、それぞれが格別の体験をされたようです。
ご奉納後に、その体験を自分の言葉で語ってくださる生徒さんもいれば、メールで綴ってくださった生徒さんもいます。

そういった気持ちに接しているちに、自分の「初心」に戻れたような気がします。
わたしにとっても非常に深い体験でした。

奈良の青い空の元、堂々たる薬師寺の塔の側、古式ゆかしいご神殿の前での奏楽。
笙の音色と龍笛の響きは天に吸い込まれるように昇っていきました。

実はわたしたちのご奉納演奏のあとに、これから薬師寺の花会式に望まれるお坊様がたがお祓いを受けにいらっしゃるというので、生徒さんだけでなくわたしも、緊張しました。
無事に終わって本当にほっとした奏楽でした。

そして26日の薬師寺花会式でのご奉納演奏!
スティーブ エトウさん、レナード衛藤さんご兄弟、そして龍笛の出口煌怜さん、篳篥の高木了慧さんとのコラボ!

スティーブさん、レナードさんのご共演、実は数年前に京都の磔磔というライブハウスに聴きにいったことがあります(これがまた凄かったのです!)。

元々、学生時代から韓国のサムルノリやアフリカのパーカッションなどなど、ノリのよいパーカッション系の音は大好き。

今回は、わたしは「雅楽」という形で最初と最後数分、即興的な雰囲気で入るだけでしたので、中間部は笙を温めながら、お休み。

お陰でかなりの至近距離でお二人の演奏を堪能させていただく光栄に預かりました(役得とは、まさにこのこと!笑)

まあ、

なんというか、スリリングな30分。。。仕掛け、仕掛け返し、じわじわとそりが同調してきて、ぴーんと糸が張ったような流れが出来て、一瞬にしてまた次の流れへ。
心地よい集中と開放感。

時間がぎゅっと濃くなった、あっという間の30分でした。


雅楽のほうでは出口さんのソロの部分の即興が印象的。
こういうコンテンポラリーな感じでのテクニカルな即興は出口さんはお手の物です。
高木さんはアジア的な雰囲気のメロディーで入ってこられたり、また笙の音の推移もよく聴いてくださって、とてもやりやすかった!

それにしても、あー、寒かった!
皆様、本当にお疲れさまでした。。。
わたしは「ご近所」ですから一番楽をさせていただきました(笑)。

お声がけくださった、スティーヴさん、心より感謝です。

薬師如来様も、(1400年来、聴いたことがない、めずらかな音がする、、、??)と微笑まれたのでは?(笑)。

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(写真は出口煌玲さんよりお借りしました)

こういった歴史的な場と、コンテンポラリーな試みは、本来とてもよく合うのでは、と思っています。奈良時代の奈良、というのは、日本の政治を固める上で、まさに「実験的」なことばかりしていた土地柄、外来の仏教を導入したり、唐を始めとする国際的な文化や外国人がどんどんなだれ込んできたり。

本来、「和」というのは、実はいろいろなものと混じり合うことができる「柔らかさ」(柔和)と吸収力の強さ(親和性)を含んでいるのでは。。。と思います。それが時代が下るにつれて、厳しさを求めたり、だんだんと排他的になってしまったり、、、

柔和であって親和性が強いもの、、、これからの時代には必要なのでは。
(なんだか、アルカイックスマイル、そのもの)。

2017年の3月は、駆け抜けてみると、雅楽に関わりだしたころを振り返り、奈良時代の、奈良の都を思いつつ、、、

平成の世で笙を奏でることの意味を改めて強く感じたひと月でした。
そしてもちろん、「今」奈良にいることの意味も、意義も。。。

その平成も、、、あと少しで終わるのかなあ。。。
未来は、いつだって名前がないのよね。

4月からは、また気持ちも新たに。

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2017年3月25日 (土)

26日薬師寺様花会式ご奉納演奏

実は重低音の波のなかで、笙を鳴らしてみたい、と数年前から思っていましたので。。。

今回はとっても楽しみです。

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休ケ岡八幡宮ご奉納演奏



明日は、薬師寺の休ケ岡八幡宮様での生徒さんと有志によるご奉納演奏。
調子と陪臚です。

そして翌日は、スティーヴ エトウさん、レナード衛藤さん、雅楽吉祥座による、薬師寺花会式でのご奉納演奏。

日中、暖かくなりますように!

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2017年3月17日 (金)

冷え性な楽器です。。。

今月はお寺さまでのご奏楽のお仕事が続きます。

明日は京都・瑞光寺様。

あさっては、兵庫・妙寶寺様。

月末は奈良・薬師寺様。

まだまだ楽器が冷える季節ですね。。。

本日は突然、習礼の最中に「ぼう」(壱越、D)の音が鳴らなくなりました。

早く暖かくなってほしいです。

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2017年3月15日 (水)

東大寺修二会も終わり。。。

昨日で14日間行われていた東大寺修二会も満行となりました。

2回ほど聴聞に伺ったのですが、やはりここ数年でどんどん雰囲気が変わってきているように思います。
30数年来聴聞しているので、余計に差を感じるのですが、世の中がこれだけ変わってきているので、それは多少の変化は仕方ないというもの。
ただ、雅楽に関しても感じているのですが、その「誤差」が関わる側でどれくらい、許容されるのか、ということはいつも問うていていいのでは、と思います。でも、結局のところ、そういったことはわからないのですよね。。。
100年後の人達が、どのような音を喜び、どう感じるかなんて予想ができないですし。さらに100年たってみれば、わたしが今、「変わってきた」と感じていることがぜんぜん大したことではなくなっているのかもしれませんし。。。
さてさて、仕事も家族のこともここ数ヶ月は本当にあわただしく!生徒の皆さまへのお稽古日予定の連絡も遅くなっていて、本当にごめんなさい。
また、ここ数日お会いした皆さまから、「ブログ、本当に勉強になります」「何年もコンサートの予定を追っていますが、なかなか伺えません」などのご感想をいただき、恐縮のいたりです。。。
このところは、Facebookのほうが写真のアップなどがやはり手軽にできるため、そちらの更新ばかりしていますが、ブログももう少し手をかけたいところです。
Facebookは、結局は、していないかたには情報がご覧いただけないシステムなんですね。そこはツィッターやブログと大きく違うところです。
ただ、ブログは前々からの悩みどころで写真のアップに時間かかる、きれいにアップできない、スマホから入るとリンク先に飛べない、などの点が気になります。。。
なにか情報の発信の仕方でよいものはないかなー、と思います。
生徒さん募集ですが、今期は東京で若干名かな、と思います。
篳篥教室(新谷恵先生)に関する情報は、あと数日お待ちを。。。

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2017年3月 7日 (火)

3月25日 休ヶ岡八幡宮ご奉納演奏 ご参加ご希望のかたは。。。

来る3月25日(土)に、東京の笙の生徒さん、関西方面の笙の生徒さん、及び有志の皆様にお集りいただき、薬師寺様の鎮守、休ヶ岡八幡宮様で「芸事上達」のご祈願とともに、ご奉納演奏をさせていただきます。

http://www.nara-yakushiji.com/guide/garan/garan_yasugaoka.html

奈良近鉄線「西ノ京駅」より徒歩5分程度。

曲目:平調調子三句(笙のみ)
    陪臚(三管)

時間:12時半から休ヶ岡八幡宮座小屋にて申し合わせ、13時半より祭典(30分程度を予定)。

*今回は装束はつけません。参加されるかたはセミフォーマル程度の服装でお越しください。
*参加費用:ご祈祷料をお納めします。頭割りとさせていただきますので、1,000円から2,000円程度になります。
*参加資格:特に問いませんが、演奏曲目がひと通り演奏できること、合奏の経験があること。暗譜は問いません。
*笙のかたは、電気コンロはなるべくこちらでご準備しますが、ご持参いただく場合もあります。
*祭典終了後、座小屋にて、希望者のみ合奏会を催したいと思います。参加者のレベルも習得している曲もばらばらですが、事前にリクエスト曲を募りたいと思います(早物が中心となります)。

ご奉納演奏にご参加いただけるかたは、

1、お名前
2、連絡が着きやすいお電話番号とご住所
3、雅楽の経験(簡単で結構です)

をお書き添えの上、

for_solo_voice@nifty.com (伊藤えり)

までご連絡ください。

必ずパソコンからのメールが着信できるメールからお願いいたします。
(携帯、スマフォなどは、着信拒否設定になっていることが多々ございますので、ご確認ください)。2、3日註には必ずご返信いたします。

初心者のかたも、陪臚が演奏できるかたは是非、ご参加ください。

現在、東京(3名)、大阪(1名)、京都(3名)、兵庫(1名)、合計8名のかたがご参加くださる予定です。(わたしを加えると計9名です)。

どうぞよろしくお願いいたします。

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2017年3月 4日 (土)

もう、3月ですね💦

ええと、このところ、本当に更新ができていなくてすみません💦

Facebookからの3月2日の記事、転記します。

このコピペでFacebookをしていない人でも、記事をご覧いただけるのかしら???

今日はJEUGIAミュージックサロン京都駅でのお稽古、明日は奈良、休ヶ岡八幡宮様でのお稽古です。

今月は、妙宝寺様、瑞光寺様での法要楽の奏楽、休ヶ岡八幡宮様での生徒の皆さんとのご奉納演奏、そして、薬師寺花会式でのご奉納演奏と、超忙しいです。

そして、気になって仕方がない修二会は1日から14日まで粛々と行なわれ。。。
深夜までの聴聞が続くと昼夜逆転してしまうのですが、わたしの人生を変えるきっかけにもなった(奈良にはまるようになった)、とても気になる行ですので、時間の許す限り、聴聞したいです。

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