笙の調律あれこれ3
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最初の頃は、音律もまったくわからなくて、わからなかったので逆にいろいろと調べることになりました。
基礎的な音をとる順序などは、本を見ればわかったのですが、さらにその一歩先のことがわからない。
散々楽器をいじくり回した挙げ句、多忠麿先生にお預けしました。
何度塗っても飛んでしまう青石に泣かされて、ものすごく息が苦しいまま吹いていたので、(やっと、これで、楽になる。。。)と思っていたのですが。
甘かったです。
調律から戻ってきた管をすぐに出して吹いてみたのですが、ぜんぜん、楽にならない??
慌てて外してリードを見てみると、塗った青石はそのままで、ピッチだけが合わせてありました。
「自分で言ったことには責任を持ちなさい!!」という多先生のお叱りの声が聞こえてきたような気がして、ぐったりしました。。。
ああ、自ら掘った墓穴。。。
レコーディングのお仕事をいただいたときなどは、仕方なしに人の楽器を借りて、参加したこともありました。
その後も、調律の作業はなかなか上達せず、奈良にお住まいの、「笙吹きロバさん」の笙のHPなども見つけて、参考にさせていただいたりしていました。
自分のやり方と同じところを確認したり、違うとしたら、それはなぜか?なども徹底して考えました。趣味でも、調律をされているかたは都内でも何人かいらしたので、そういう人からは少しでもヒントをいただこうと、お話を伺いました。
そのうち、京都の雅楽器師、八幡暹昌(八幡内匠)さんの管を使うようになり、調律のご指導を乞いました。
このときに八幡さんがサワリがねの器をくださったので、わたしの「苦しみ」がようやく半減しました。
ちなみに、サワリは響銅とか、砂張とか、漢字を当てます。
奈良朝の頃は、「佐波理」と書いていて、法隆寺や東大寺にたくさん残されています。
あれ、欲しいなあ
法隆寺展や東大寺展など、あるいは博物館、宝物館で佐波理が展示されているガラスケースに張り付いて、なかなか離れないオバさんがいたら、わたしかもしれませんよ?
法具だけでなく、匙や皿など、雑器類に使われていたようです。
笙のリードもこのサワリという金属を使います。
わたしが使っていた中国の銅鑼は、固過ぎて、青石がパウダー状になり、飛びやすかったのです。
結局はさわりの器と、石の相性ではあるのですが、わたしが使っていた銅鑼は固過ぎてどんな石とも合いませんでした。
石のほうが負けて、すぐにおりてくれるのですが、とにかく飛びやすい。
ただ、そのときまでには筆のほうで、薄く塗る方法をいろいろと考えていました。
最初から全部与えられていたら、「なぜ」の疑問もなく、工夫することもなかったと思います。
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