宮田まゆみ先生のコンサート
本日はサントリーホールでの宮田先生のコンサートで、久々に宮田先生の演奏を聴き、意識が「すっきり」したような感じです。
宮田先生の演奏だけでなく、笙のソロの演奏を自分が聴くのは、久々だったのですが、やはり調子は、
聴いていると、、、
これは、音楽なんだろうか、、、とか、
今、自分は、ここにいるんだろうか、とか、
そうこうしているうちに、そうやって「自問」してみている自分もいなくなってしまって、
はっとした瞬間に、幾重にも重なってやってくる音の繰り返しに、またもうろうとしてきたり。。。
空間からも、時間からも解放されたような、意識や心の自由を感じました。
これは、華厳の思想=parallel worldと相似なのでは、、、とか。
もっとも、実際に聴いてるときは、もっと、「とろん」となっていて、こういったことは、演奏からもう何時間もたってから、(あのときの状況は、、、)と、考えていること、なのですが。
今の世と変わらず、生きることに制約が多かったであろう昔の貴人たちが、この世界に耽溺して、深めていったのが、理解できるような。。。
正倉院の正倉の修理の講座や法華堂修復の講座を受け、あの世界の精緻な美学に、今、最も関心があるのですが、やはり、音の世界のなかにも根底に通じる「何か」を今日も感じ取ることができました。
わたしが奈良に惹かれてしまった、最大の理由の「かけら」をひとつ、再確認したような。。。
そして、新たに起こされた「入調」の、これ以上ないくらいのシンプルな音の構成に、さらなる楽しみを感じました。
調子の録音は、いろいろとありますが、自分の録音も含めて今のところ最も好きな演奏は、宮田先生の「星の輪」というCDに収録されている調子です。
指離れの柔らかな感じがしっかりリードによって再現され、そしてそれが音(空気)に伝わっていて、その「感触」がとても好きです。
その感触を今日、本当に久々に、しかも生で味わうことができて、幸せでした。。。
2年後に、また古譜を使ってコンサートをしてくださるそうです!
今から、楽しみ。。。
たくさんのエナジーと新鮮なインスピレーションをいただいて。
ここしばらくは、とても幸福な気持ちで過ごすことができそうです。。。
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コメント
素晴らしい演奏会だったようですね。今回も前回(10/13)も、行くことができず残念。倉敷市在住のサラリーマンだから東京へはなかなか行けないのが現状です。でも、こうして感想を知れてありがとうございます。
投稿: 妹尾 真吾 | 2014年12月 8日 (月) 09:39
コメント、ありがとうございます!
2年後の11月12日にも、東京はムジカーザにて、今回の続編のようなコンサートが行なわれるそうですよ。
関西からのかたにも、2、3人、お目にかかりました。
再来年は妹尾様も、是非。
やはり録音もいいのですが、笙の生の音はインパクトがあります。
投稿: 伊藤えり | 2014年12月 8日 (月) 12:44
2年後行きたいですね。
でも、その前に、伊藤さん。調子・入調全曲演奏をされませんか、倉敷市で。
一般には、雅楽で地味な演奏と思われているので、人は集まらないかな?
投稿: 妹尾 真吾 | 2014年12月 9日 (火) 20:38
いいですね!
倉敷、どこかにお勧めのよい場所はありますか?
妹尾様が、「こんな場所で、笙の音を聴いてみたい」、というような場所とか。。。
ご縁がつながりましたら、伺いたいです♪
宜しくお願いいたします。
投稿: 伊藤えり | 2014年12月12日 (金) 09:19
ホールではなく、特殊な環境で聴いてみたいですね。
例えば、洞窟(鍾乳洞)、森の中、海岸、秋の虫の音など自然界の中での演奏を聴いてみたいですね。自然界の「抽象音」をバックに笙を演奏。聴いてみたい!
倉敷では大原美術館あたりかな。洋画が展示された中での演奏は環境的に魅力があると思いますが、音響的な魅力はないかも。何か思いついたらまたコメントしますね。
投稿: 妹尾 真吾 | 2014年12月23日 (火) 14:50
妹尾さま
ご提案、ありがとうございます!
竹林のなかでのコンサートは、なんとなくお話が進行しています(京都で、ですが。。。)。
笙はデリケートな楽器なので、屋外の場合は、いろいろと条件に左右されますが、自然音とはすごく合うと思います。
イマジネーションを膨らませて、うまくタイミングがあいましたら、実現させたいと思います。
大原美術館ですね、チェックしてみますね!
投稿: 伊藤えり | 2014年12月24日 (水) 14:19
竹林でのコンサート、魅力ありますね。決まりましたらお知らせ願います。
大原美術館では年数回ギャラリー・コンサートが開催されています。我が家から800mくらいの距離なので、絵画鑑賞で毎年足を運んでいますが、ギャラリー・コンサートは一度だけ行ったことがあります(メシアンの歌曲集ハラウィ)。いつか聴いてみたい、洋画に囲まれた笙の演奏会。
投稿: 妹尾 真吾 | 2014年12月24日 (水) 20:10