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2013年9月30日 (月)

「笙の響きと雅楽の愉しみ」次回、12月7日に決定です。

第1回「笙の響きと雅楽の愉しみ」レクチャーコンサートは10月19日。

第2回の日程が決まりました。
12月7日、会場は同じく毎日新聞社京都支局7階ホール。

第2回は、共演者をお迎えします。
この会場との出会いのご縁を作ってくださった、リードオルガン奏者の大森幹子先生。

第1回目は「ピュタゴラス音律」のお話が中心となりますが、笙の、雅楽のなかでの音の役割、響きの秘密(必聴!)などなど、多分他では聴けないお話をたくさんいたします。

陪臚の笙の独奏、続いて、「合奏ではどうなっているのか?」ということで、竜笛と陪臚の合奏もお聴かせします。

普段、篳篥の音にかきけされてしまう?、といいますか、和音なので、合奏の「背景」に回ってしまう、笙の音の役割をぜひ、「耳で」確認されてみてください。

よろしくお願いいたします。

入場ご希望のかたは →  for_solo_voice@nifty.com (伊藤)まで。


ご来場者の氏名(2名以上の場合は、全員のお名前をフルネームでお願いします)をご記入の上、必ずPCからのメールが届く設定になっているメールから、ご連絡ください。

特に携帯のメールは、最初からPCからのメールが届かない設定になっていることも多いので、ご注意ください!

よろしくお願いいたします。




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2013年9月29日 (日)

すごくいい音の楽器!

久々に、いい音の笙に出会いました。

音色にものすごくこだわっているのですが、某所でたまたま見つけた楽器です。わたしの生徒さんがゲットしました。

修理後、吹いていただいてみましたが、やはりいい音がします。

こういう音の楽器、最近はまったく作られていない。。。

うーん。。。


数枚、リードに難あり、の楽器なのですが、いいなあ、これ。。。と思います。

つい20年ほど前までは割と聞いていた音、なのになあ。。。

鵜殿のヨシなども、なくなったら、こんな感じになるのでしょう。。。(と、ひとりうなずく。。。)

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Jeugiaさんで初のお稽古

今日はJeugiaさんで初レッスンでした。

本日は奈良でもお稽古があり、京都と奈良、2往復しました。

でも、本当に、駅から近い!

名古屋から久々に来てくださったかた(東京でずっと教えていましたが、転勤でいらっしゃれなくなったかた!)も、喜んでおられました。

笙や雅楽の普及の一助になれば、と、関わり始めたところですが、スタッフのかたのお話を聞いていると、やはり邦楽器の普及が遅れている理由、わかる気がしました。

鵜殿の篳篥用のヨシにしても、誰かが管理している訳でもないのに、なぜか、誰も先行きのことを考えていない。。。

笙も、職人さんがしっかり生活していけるようなシステムができないと、本当に、よい楽器を作る人たちの伝承は、ここで絶えてしまいそうです。

職人さんたちが食べていけるようにするには。。。

やはり、普及させていかないとなあ。。。




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2013年9月26日 (木)

雅楽は難解。。。

そうなんです、「笙の響きと雅楽の愉しみ」のようなレクチャーをなぜ始めたか、そもそも、個人で雅楽や笙の普及活動になぜ乗り出したか、というのは、いろいろな理由があるのですが。。。

おととい、ある音楽家のかたとお話をしていて、(ああ、やっぱり。。。でも、わかります。。。)と思ったのが。。。

彼女は、何年か前に、コンサートホールで雅楽を聴かれたのだそうです。

演奏団体は素人ではなく、かなり名前のあるところ。
第一線で活躍している団体のひとつです。

でも、(ああ、わたしには無理だなあ。。。もう2度と聴きに来ないだろうなあ)と思ったとのこと。

お互いに楽器を演奏しながらいろいろ雑談していたのですが、音楽性も感受性もとても豊かなかたです。

「実は今日ねえ、、、雅楽の演奏者に会うって、なんだかすごく億劫だったの」とおっしゃられて、さらに、(。。。わかります!)と思いました。

わたしも、学生時代の最初の1年、雅楽合奏の授業で、(とりあえず、1年間で単位をとったら、履修は止めよう)と思っていましたから。
大学の副科の授業で選択してみたものの(わたしは楽理科の出身、当時東京芸大には雅楽専攻科はなかった)、合奏はなんだか長いし、辛いし(笑)。

学生主体の合奏ですから仕方なかったのですが、、、

ただ、1年後から、だんだんと面白くなってきたのです!
そして、そのまま、気がついたらもう、30年ほど。
自分でもびっくり、です

さて、その音楽家のかたも、笙を間近でお聴かせしたり、その魅力をお伝えしたりしているうちに、目がだんだんと輝いてこられました

「こんなに面白いものだったなんて!」

(そうでしょう、そうでしょう 

そうなんです。こんな面白いものをたくさんの人にお伝えしない手はない!
こんな貴重なものを「授かった」のだから、たくさんの人にお教えしたい!

それが、わたしが個人で普及活動を始めたきっかけ、といいますか、動機、です。


雅楽は、小さい頃から触れているかたがたならいざ知らず、実は非常に難解な芸能だと思います。

わかってくると、これほど面白いものはないのですが、ストーリーがある能楽、文楽、歌舞伎、また、歌詞があるその他の邦楽ジャンルに比べて、鑑賞の「とっかかり」がないと、まったく「取りつく島」がありません。

雅楽のコンサート会場に足をお運びいただいても、(なんだか、ありがたい)と勉強した気持ちにはなりつつも、感動はなく、2度とご来場いただけないことも多々あります。

習っている人間には魅力に感じられることも、かなり音楽に精通している人たちにとってさえ、雅楽は「どう聴いていいのか、わからない」音楽です。

ただ、ちょっとした解説を加えて、「聞き手」の意識を変える(大げさなようですが、雅楽の魅力となるツボを聴く前にお伝えする)だけで、まったく反応が変わるのです。

わたしが舞台に立ち始めた大学時代は、本当に雅楽は人気がなく、楽部の演奏会なども、どこでもチケットがたくさん余っているような状況でした。多少、コンテンポラリーのほうでは活気がありましたが、古典のほうは、ほとんどまったく、と言っていいくらいに、客層が育っていなかったように思います。

皇居の楽部の演奏会場に「楽師募集」の張り紙が貼られていたような時代。

本当に子供の頃から触れている方々には、その難解さが逆に理解できないから、一般の人にどう伝え、アピールしたらいいのか、わからないのでは。。。とも思います。

世の中には例えばバレエ、例えばミュージカルと様々なエンターテイメントが質の高い舞台を提供するためにしのぎを削っています。

そんななかで、雅楽に特に魅力的を感じていただけるようにするのは、難しいのではないか。。。。

(もっとたくさんの人に受け入れていただくには、どうしたらいいのだろう。。。)と、いうことを無意識のうちにも随分と考えるようになっていました。

自分がお稽古を受けたり演奏をしたりしていて、感動する部分。それを「言葉」に置き換えるとか? お聴きいただくシチュエーションを整えるとか?

いろいろな状況設定のバリエーションが、構想として思い浮かんでいます。

また、今にして思えば、雅楽の普及のために、人生を賭けておられた、多忠麿先生の最晩年、間近でお仕事をさせていただいてきた、その影響もあって、啓蒙や普及活動に自然に力が入るような気もします。

もっともっと、大切に扱われてもいい芸能だと思っていますので。。。

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まずは、小さな試みですが、少しずつ、スタートしていきます。。。

「また足を運びたくなる」コンサートを目指しています。

どうぞよろしくお願いいたします。

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2013年9月21日 (土)

10月19日コンサートのご案内。

フライヤー(チラシ)が出来ました!

デザインしてくださった、渡邊ちょんとさんとは、CD「祈りの海へ・・・」製作時からのおつきあいで、数通のメールのやり取りだけで、イメージぴたりのものを作ってくださいました。
こういったコラボもありがたいものです。

当ブログ内ですと、文字情報が小さくて見にくいので、

詳細はこちらへ→https://sho3ku.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/post-b1ad.html

今回の演奏会場はこちら

柔らかい響きと光に包まれる空間です。

ご予約はfor_solo_voice@nifty.com

まで。よろしくお願いいたします。

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2013年9月18日 (水)

合奏会も終わって

9月の東京の合奏会も無事終了、明日、奈良に戻りますが、その途中京都でピックアップしていただいて、仲秋の名月を愛でながらの奏楽で、太皷を打ちにいきます。。。

今日も本当にきれいなお月様です。

東京では台風の影響が心配でしたが、本当によいタイミングで雨が止んでくれて、時間の変更こそあったものの、無事に全お稽古、終了しました。

さて、帰宅したら荷造りです!

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2013年9月16日 (月)

たまに、

若い奏者で優秀な人がいて、

よくその若さでそこまで、と思うこともあるのですが。。。

すでに固まってしまっていると伸びないのですよね。

優秀なのと、才能があるということは、どうも違うみたい。

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2013年9月14日 (土)

今日ははしごで

国立劇場、よかったです!

さて、次は。。。再来月ご一緒にお仕事をさせていただく予定の劇団SLAさんの公演を拝見しに、高田馬場に来ています。

台風が来ると皆さん騒いでいますが。。。

全然知らなかったわたし

うそ、台風???

気圧の変化に敏感はわたしは、まだまったく気配を感じません。

それるんじゃないかな、とは期待まじりの観測。。。


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2013年9月13日 (金)

東京教室です。東京も暑い!

今日は奈良での用事を片付けているうちにほぼ完徹になってしまい(◎_◎;)、荷物を宅急便配送センターから送って、ぷらっとこだまに飛び乗りました。

東京は、奈良より少し涼しい印象がありましたが、暑いです!

相変わらず、「カタツムリの移動」のような大荷物での移動(特に初日)。

でも、東京の空気に触れると、やはりしゃきっとします。

(関西でだらっとしている訳ではないのですが

明日は国立劇場で、天野社(丹生都比売神社)の曼荼羅供養を拝見する予定。

国立、ひさびさです。

十二音会、南都楽所、大阪雅亮会の共演は、本当に見物、聞き物です。

古いノートを整理していたら、20年以上前、わたしが雅楽のお仕事をいただいては、気がついたことをメモしていたノートが出てきました。

当時、南都楽所さんと東京楽所の公演が東京芸術劇場であり、わたしも参加させていただいていました。

メモには「関西の楽人さんは、男性が多い」「舞の振りが全然違う!」「笛がすごく低くておどろおどろしい(採桑老)」などとありました。

そういえば、盤渉調の曲の笛が低くて、驚いたな、、、とか、(わたしはその場にいなかったのですが)、「忠麿先生が、落蹲をみて、あごがはずれそうなぐらい、驚いていらした!」(関東では「納曾利」ですが、振りがまったく違うので、無理なからぬこと)と話していた生徒さんがいたりと、当時のことが思い出され、懐かしいです。

楽屋ですれ違った南都楽所の女性が、「関東の伶人さんは、女性が多いのですね」とおしゃっていました。今では、南都楽所も女性のかたが多いようですが、当時はやはり男性優位の団体だったようです。

わたしが、雅楽を始めたころは、そういえばめずらしがられたな。。。

どの演奏が「正しい」ということはなく、それぞれの地域の差が存在する、というのは非常におもしろいことだと思います。

土地土地の「方言」のようなものですから。。。

均一化されないで、それぞれの土地の文化とともに、残っていくといいですね。

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2013年9月10日 (火)

京都でのコンサート詳細(メールでの予約受付スタートします!)

以下、チラシ用の原稿からそのまま、転載します。

シリーズのレクチャーコンサートは、2011年の1月、まだわたしが東京にいたころに、文京区の小スペースでスタートさせました。1月、2月と続き、3月に入ったところで、震災が来て、中止に。

以後、ずっと「思い」だけは温め続けていました。

関西に来て、2年半。ようやく、その思いを実現させることができます。

笙や雅楽、まだまだご存じないかたがたが多いので、その魅力をたくさんの人たちにお伝えしていきたいです。

ご予約は

for_solo_voice@nifty.com

まで。

パソコンからのメールが受信できるメールアドレスで、お問い合わせください(あるいは、連絡がつきやすいお電話番号を明記してください)。

特に携帯からメールをくださるかた、ご注意ください。

チケットはございませんので、当日ご来場の際に、受付にて予約時のお名前をおっしゃってください。

チケット代(前売りの料金)をご精算いただいてご入場いただけます。

どうぞよろしくお願いいたします。

**********************

伊藤えり「笙の響きと雅楽の愉しみ」

レクチャーコンサートシリーズ vol.

 笙の響きから、新しい世界が広がる

お話と演奏:伊藤えり

 今回のテーマは・・・

「ピュタゴラス音律笙が生み出す自然な響きの魅力について」

演奏曲:平調調子、陪臚(笙ソロ)、自作曲など

20131019日(土)<

 14時開演(13時半開場)

 毎日新聞社京都支局ビル7F 

 京都市上京区河原町通丸太町上る西入錦砂町285

○京阪鴨東線「神宮丸太町駅」出口1番 西へ徒歩5分 
○市営地下鉄烏丸線「丸太町駅」出口1番 東へ徒歩
10分 
○市営地下鉄東西線「京都市役所前駅」北へ徒歩
10

入場料2,500 (前売り2,000円)

問い合わせ・予約 for_solo_voice@nifty.com
(必ず氏名は明記の上、パソコンからのメールが受信可能なアドレスをご連絡ください。ご返信に数日かかることもありますが、ご了承ください。)

毎日新聞社京都支局では、お取り扱いがございませんので、ご注意ください

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2013年9月 9日 (月)

JEUGIA 9月からの教室

JEUGIA 京都駅前ミュージックサロンで、笙の教室を開講します。

と、いってもまだ、日曜日に月1日だけ、なのですが。

笙の普及に力をいれているわたしにとってはありがたい場となりそうです。

土日しかいらっしゃれない、遠方からの生徒さんがいて、土日でお稽古ができる場所を探していて、みつけた場所です(京都・瑞光寺様でのお稽古は基本的に平日のみです)。

京都駅から、本当に近い!雨の日でも、ほとんど濡れずに駅から移動できます!

関連記事・お問い合わせ↓

http://219.99.160.125/kyotostation/?p=8

こちらは無料体験もありますよ↑

関東その他のお教室
https://sho3ku.cocolog-nifty.com/blog/lesson.html

メールはこちらへ → for_solo_voice@nifty.com (伊藤えり)

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2013年9月 6日 (金)

久々に、

終了した演奏会、講義などの記録をまとめてアップしました。
https://sho3ku.cocolog-nifty.com/blog/2012schedule.html

(当ブログの左の列のウェブページにアップ)。

2011年が抜けちゃっていますが(震災と引っ越しがあった年ですね)、2012年、こうしてみると、がんばったなあ、わたし

10月19日は、本当に久々の自主企画ですので、楽しみにしています。

どうぞお楽しみに。。。



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2013年9月 5日 (木)

ベトナム・フエの宮廷雅楽

行って参りました。
奈良・大安寺でのベトナム宮廷雅楽団のご奉納演奏。

大安寺は、仏教導入期に大きな役割を果たしていた、国際的な大寺のひとつだったようです。雅楽の歴史に詳しいかたならご存知の仏哲(ベトナム僧)、菩提僊那(インド僧)が逗留していたのですから、今でいえば、大使館や領事館のような役割も果たしていたのでしょう。

奈良朝の国際性を考えると、頭がくらくらします。
そして、当時の雅楽の国際性も。

平安京に都を遷してから、国風文化が開花、以後は外国とのやり取りがほとんどなくなり、考えてみたら江戸の鎖国の時代を経て明治時代に突入するまで、日本は海外との交流がほとんど、なかったんですね。

もちろん、貿易などの点ではほそぼそと交流は続いていたものの。

奈良時代のようにたくさんの外国人が日本に居住していた時代は、平安時代以降は、なかったと思います。

さて、大安寺です。
以前から伺いたいと思っていましたが、どの駅からも離れた、やや不便な場所にあるようで、遠いように感じていましたが。。。

調べてみたら、家から自転車でほぼ、直線で行けるではありませんか!

田んぼ道を自転車で飛ばし、さて着きました。

本当に小さいお寺で、逆に驚いてしまいました。
かつて、宗教の場というだけでなく、大使館・領事館、そして大学のような機能も兼ねた大寺は、何度もの火災などで焼け落ちで、縮小されていったようです。
それでも、広がる田畑のなかにある、ほっこりとしたお寺で、おそらく地元のかたがたの信仰も厚いのでは、と思います。

さて、雅楽団ですが。
屋外でのご奉納なら写真も撮れるかも、と思っていましたが、ご本堂でのご奉納で、写真は禁止。華やかな衣装などをお見せできないのが残念です。

こちらに記事が。
http://www.47news.jp/CN/201309/CN2013090501001258.html

小さな写真しかないのが残念ですが、雅楽というよりは、やはり「伎楽」に近い感じでした。
京劇のような雰囲気の衣装もあれば、バリ島の舞踊のような振りもあって、アジアの民族芸能が様々にミックスされている感じ。
古式というよりは、やはり近代的に変容している雰囲気。

音楽的にも、日本の雅楽との共通点はほとんどないように思いました。

むしろ以前東京で観た、チベット仏教の僧侶の歌舞に似ているように思います。

でも、上記の記事にある写真の舞は、出て来たときに(あっ、獅子だ! 四天王寺に残されている獅子と似ているのかも!)と思ったのですが(古い記述には、「獅子」は法会ではかなり、あちらこちらの寺院で演じられていた様子)。。。

獅子舞の獅子のような、大きな口と誇張された目。
(しっぽのデザインが、またまた、キテレツ!)

ですが、この演目は、「獅子」ではなくて、なんと「麒麟(きりん)」だそう

この演目も、「オチ」があって、笑いを誘うものでした。
どの演目もおおらかで、笑いを誘う要素があります。

最後は蓮の花をかたどった灯籠を持った舞人さんたちが、「組み体操」のようにして高く組み上がり、仏様にお祈りを捧げているようでした。

でも、昔の仏教はこのような感じでおおらかだったのでは、と思います。

「笑い」とか「心を楽しませること」が、真の「平和」や心の安寧に繋がることを昔の人はよくご存知だったのでは。東大寺の開眼供養の際に行われた伎楽の記録、そして残された面などを見ると、おどけたパントマイム風の演目を大仏様にご奉納していた当時の仏教の感覚が、とても楽しいものだったように思えるのです。

お能には「狂言」という笑いの世界が対にになっていますが、雅楽は「伎楽」や伎楽めいたものを歴史の過程で失っています(唯一、「安摩二の舞」や「胡徳楽」などが伎楽の香りを残す?)。

そういったものが今、残っていたら、、、と思います。

日本の雅楽は、使う楽器を減らしたり、日本風にアレンジを繰り返すなどしながら洗練を極めるのですが、逆に伎楽的要素はアジア圏全体に残されているのでは。
日本では、地方のお神楽などに伎楽は吸収されていったのかもしれません。

それでも(あの衣装は、○○に似ている)とか、(日本はどうして、舞台上で「詠」を唱えることがなくなってしまったんだろう)など、いろいろに想いをめぐらせながら、団員のかたがたのご奉納を拝見させていただきました。

韓国の宮廷舞踊でも、「詠」は残っていますし、日本でも記録上は行われていたことが残っています。日本の雅楽は、高度に発達したものが脈々と伝わっているのですが、やはり失われているものも、たくさんあります。

その小さな「片鱗」がやはりアジアの諸伝統芸能のなかに、きらりと輝くことがあるのです。

日本の現行の雅楽とはだいぶ違う雰囲気ですが、そういった片鱗に出会うと、どきりとしますね。

一行は、あさって、横浜能楽堂で公演されます。
日本からは南都楽所、そして伶楽舎のメンバー数名とベトナムの方々の合奏による芝祐靖先生の新作「仏哲に捧げる」を演奏されるそうです。

こちらも本当に拝見したかったのですが、、、、

残念です。

先々、現地ベトナムで、宮廷雅楽、もう一度拝見できたらいいなあ、、、と思いました。

将来、昔のシルクロードや雅楽にゆかりのある海外を回る機会があったら、と思っています。そんなところで演奏もできたら、、、お里帰りならぬ、先祖帰り?かもしれません

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2013年9月 4日 (水)

明日、大安寺で、

このような、貴重なイベントがあります。

こういったこと、どうしてもっとアピールしないんだろう?

と、思います。

雅楽の関係者も。。。

また、奈良市、ひいては、奈良県も。



実は、先のブログにも書きましたが、9月14日は国立劇場で、貴重な公演があり、そちらは拝見させていただく予定でおります。

そして、9月7日、こちらも非常に貴重な公演かと思いますが。。。。

「再びの出会い ふたつの国の雅楽」

が、横浜能楽堂で、あります。

最初は、両方の公演にかけて、東京に滞在しようかと思っていたのですが、関西での仕事が終わらなくて、日程的に無理そう、、、

そこで、国立劇場のほうの公演を選びました(究極の選択?)

でも、ベトナムの雅楽も、観たいな、聴きたいなー、と思っていましたら。。。。

なんと、奈良で、ご奉納の演奏が!

ベトナム僧「仏哲」といえば、インドのボーティセーナ(菩提僊那)、とともに、日本の雅楽の「唐楽」の元となった、音楽と舞(唐楽のなかでは林邑楽)を伝えてくださったかたです。

いしにえの奈良、大安寺で、楽と舞の伝授をしてくださったかた。
752年、東大寺の大仏開眼供養の際にもご活躍されたことが記録に残されています。

1250年後の日本で、二つの雅楽が出会う。
東京での公演の前に、奈良にいらして、西大寺に住まわれた仏哲への鎮魂のためのご奉納、ということになるのでしょうか。

ベトナムの雅楽は、15、6年ほど前でしたか、1度、聴いたことがあるように思いますが、日本の雅楽とはまったく異なった感じで、非常にシンプルなものでした。
なんか男性二人が、延々と、「どどどどどど」と小さな太皷を打っていらしたような。

「次の瞬間にこそ、何かが起こる!」と期待して聴いていたのですが、、、

結局最後まで、「どどどどど」で、終わってしまいました

チラシを拝見すると、今回はもう少し華やかな演目のようです。

雅楽の絆は、本当に深い、と思うのです。

アジア圏の、千年を超える絆。

その片鱗が、今日本に伝承されている雅楽にも、残されています。。。
























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2013年9月 2日 (月)

9月ですね。

あと4ヶ月で、今年も終わり、なんて信じられます?

Photo














賀茂川の鷺。結構なズーム(遠距離)で撮ったのに、しっかり気づかれていて、カメラ目線。

9月からJeugiaのお教室開講(といっても、まだ月1回ですが、、、)、10月以降のコンサートの準備、ばたばたしています。

気がついたら、2014年になっているのだろう。。。

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