大阪楽所演奏会無事終了& 雑面の意匠について
第31回大阪楽所の演奏会(大阪・国立文楽劇場)、無事終了しました!
昼も夜も、ほぼ満席。
わたしは大阪楽所、今回で2回目の出演。
ご来場くださいました皆様、ありがとうございました!
photo by Eri Ito
写真は蘇利古の面(雑面、ぞうめん)。
宮崎駿さんの「千と千尋の神隠し」で、一躍有名(?)になってしまった面です(笑)。
なんとも奇怪な面ですが、ユーモラスでもあります。
こんなデザイン、どうやって思いついたのか?
わたしは多分、国立劇場での公演のリハーサルで拝見したのが初めてだったのではないかと思います。
面に加えて、無音で退場していく舞人さんの様子は、本当に不気味、というか、ぞーとっとさせるものがありました。
当時、わたしは芸大の学生か、卒業したてのころで、美大のほうの学生とも交流があって、現代美術や現代音楽にも深く関心がありました。
でも、当時のわたしにとっては、はるかに「雅楽」のほうが、「前衛的」なパワーを持っているように感じられました。
目のように見える「巴」の模様は、安倍家の文書などでは、渦の向きが右と左とで、逆になっているようです(時計回りと反時計回り)。
楽部では写真と同じで、巴の向きが同じものを用いているようですが、雅楽のなかには陰陽の思想が色濃く取り入れられています。
雑面の模様は、「易経」の「八卦」(はっけ)と似ているように思えてなりません。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AB%E5%8D%A6
蘇利古の面は、デザイン上の発想だけでなく、「意味のある文様やパターンの組み合わせ」なのではないかと思います。
八卦は三爻(さんこう=三本の線)の組みあわせですから、微妙に違う(雑面では二本の線)のですが、わざと「はずした」のかもしれません。
手にしている白楚(ずばい)も、何か意味がありそうです。
韓国のイルムという、宗廟などで舞われる舞などでは、両手に似たようなものを持ち、蘇利古と似たような手の動きをします(初めて観たときは、驚きました)。
そう考えてくると、巴の向きは逆向きのほうが正しい?ようにも、思えてきます。
1枚の面のなかに、陰陽の世界観が表現されていると考えると、向きが逆でなければならなくなってきます。
昔の人にしか読み取れない「コード」が雑面のなかに、隠されているのかも!?
ただ、これは、わたしの「印象」だけで言っているのであって、歴史的にはどうであったのか、まだ調べていません。
古い面や、舞楽に関する絵図を逐一、チェックしていけば何かわかってくることがあると思います。
巴の向きが同じ面も、かなり見かけますので。。。
「伊藤説」、どうかあてになさらずに(笑)。
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