楽器を維持できるのか。。。
春日大社内にある、万葉植物園での雅楽(春日古楽保存会)。
木陰に楽人さんたちの姿がちらほら。
源氏物語や枕草子の世界みたいです。
迦陵頻、鮮やかな色合いが初夏の日差しに映えます。
とても上手でした。
雅楽の装束がやたらと派手なのは、やはりアジア圏の文化の色彩がそのまま使われているのと、屋外で演じられることが多かった歴史的背景にもよるのでしょう。
上の写真でもお分かりのように自然の色は、実は華やかで強烈です。
原色を使わないことには、花や植物の緑の色に負けてしまう!
さて、楽器に対する懸念です。
篳篥のリードの原材料となる鵜殿のヨシ原のヨシの懸念はもちろんのこと、笙の材料のほうも、このところ芳しくないようです。
また、楽器の修理や製作に関する「技量」は、維持されているのでしょうか。。。
わたしもこの世界に入って30年近くになりますが、当時、最高の腕と技量を持って楽器を作っておられた方々が、引退されています。
そして、後継者がいないところがほとんどです。。。
低価格帯、中価格帯の楽器が増えてきたのはありがたいことです。
ですが、ため息がでるほどによい楽器というのが、今、なかなか見当たりません。
さらに材料がない、という追い打ちがかけられるとすると。
雅楽は今の演奏のレベルは、今後、維持が難しくなるでしょう。
楽器の性能あっての、演奏です。
ピアノという楽器がこれだけ普及してきたのは、製造メーカーが軒を並べて、腕を競ってきたから、というのも大きな理由のひとつです。
雅楽は、日本という一地方国家の、「民俗芸能」のようになっていくのでしょうか。
春の楽部の演奏会を聴きにいって、ふと、笙の音が変わったように思えて、気になりだしました。
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