太皷の打ち方考
音輪会の演奏会、昨日無事に終わりました。
喜春楽の太皷、無事に終わってなんともほっとしました。
太皷に関してはいろいろと工夫しています。
伊藤さんが打つと、何か音が違う、とおっしゃってくださったかたがいて、ありがたく思いました。この音でなければいけない、ということはないのですが、わたしが工夫していることが、人と違って聞こえ、それがいい、とおっしゃっていただけるのはやはり嬉しいです。
今回はタイミングではなく、「打ち方」について、わたしが考えていることを書いてみます。
忠麿先生に教えていただいたコツがひとつ。
「大太皷など打つ面が大きい太皷は特にそうだけれども、打った瞬間に面が大きく振動する。だから打った瞬間に離すように」
言葉にするとこんな感じですが、わたしは先生が太皷を打っている姿や音をイメージしながら打っています。
そういえば、武満徹さんの「秋庭歌」の公演のときの、忠麿先生の太皷は、すごかったです。
当時演奏で参加していた大先輩が、「あの太皷が、忠麿先生かどうかで、曲全体のイメージが違ってしまう!」と驚いていたくらい。
また、わたしの姉弟子のお父様が演奏会にいらして、演奏終了後、「あの太皷の人は誰なんだい?」と真っ先に聞いたそうです。
音楽を職業とされていないかたですが、よほど印象が強かったのでしょう。。。
記録に残っていないのが残念です。
図(ずん)と百(どう)のバランスも難しいですし、管絃と舞楽ではまた打ち方も変えていますし、やはり言葉では説明できないのですが、上記のような打ち方なのか、ときとして「ばっ」という破裂音のように打ってしまう人もいます。
また、太皷の楽器そのものによって、音も違いますから、同じノウハウ一辺倒では、太皷は鳴ってきません。
できるだけ、ずっしりした音をイメージしながら打っています。
今回は太皷を置く台そのものが高くて、非常に苦労しました。
わたしは小柄なので仕方ないのですが。
これが絶対、ということはないので、それぞれが工夫をして打つと、またいろいろとおもしろのでは、と思います。
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