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2012年11月15日 (木)

ここ数日、魂の充足日♪

正倉院展、続いて東大寺賢首会(げんじゅえ)。

ここ数日、壮烈な美の感覚を堪能しています。

え? 

賢首会でも?って?(華厳宗第三祖賢首大師のご遠忌、いわばご命日です)。

はい、そうなんです。。。
1300年ご遠忌に参加させていただき、講演会(東大寺長老狭川宗玄師、木村清孝先生)も拝聴させていただきましたが。

華厳宗は、「南都六宗」のなかでも、もっとも美しい宗派なのでは。。。。と想像します。

といっても、他の五宗の教えはまったく知らないですし、華厳宗だって詳しくは知りませんが(汗)。

でも、その「端っこ」をちょっとかじるだけでも。。。
例えば、多面体の貴石が互いに映り、互いを反映させて無限の像を刻んでいくような世界観など、伺っているだけでも、ぞくぞくします。

原始の仏教は、おそらく「空」と「苦」に焦点をあてた思想だったと思うのですが、華厳宗は、そこに「美」のセンスをはめ込んでいるように思えてなりません。

奈良時代って、「ゴージャスにスピリチュアル」な時代だったのではないでしょうか。

「表白(ひょうびゃく、ひょうひゃく)の文章は、まるで散文詩のようです」という狭川宗玄長老のお話にも、びっくりしました。

「今、表白が書けるとしたら、三島由紀夫さん、谷川俊太郎さん、なかにし礼さん」と話が続き、さらに仰天

高度な仏教の知識に加えて、美文を書くセンスがないとつくれないもの、だそうです。
上記のお三方全員が高度な仏教の知識をお持ちか、は、分かりませんが、天与の洒脱さ、という点では、確かに。。。素晴らしい「人選」です)。

その後のお話でも、難解な教典の構成を交響曲やオペラに例えられたり、、、
なんてクリエイティブな発想。。。

狭川師ご自身が、とても美しく。。。
94歳、、、70歳ぐらいにしかみえず、しかもお話されるときの声は40歳から50歳ぐらいの印象。

早口で滑舌がきいた口調でお話をされるので、メモを取る手が追いつかない!!!
少なくとも、わたしよりは脳の血のめぐりは良さそう(すみません、比較対象が低くて

1時間半、ノンストップで、内容の充実した講演。。。しかも、時間ぴったりにお話を納められました。お見事!!!

時々お話に挟まれる、抱腹絶倒のジョークのセンスも秀逸で、最高に充実した時間でした。

奈良の、隠れた輝くようなインテリジェンス、です。。。


正倉院展の展示物、聖武天皇の遺品類は、なんというか霊的な高次元の光を今もなお、放っているように思えてしかたがありません。

宇宙的な感覚がある人でないと、作れないのでは、、、というものも、数多く。。。
奈良の都、平城京自体が、四神相応の思想に基づいて作られた、素晴らしい都市、でした。建築学が天文学や占星術、さらには陰陽の思想などと結びつき、仏教を成就させる都市として花開いた街。

以前「雅楽だより」に節会や節句についての文章を寄せさせていただきましたが、、、

運行する星々のめぐりの力を借りて、願いをかけ、雅楽を奏する、というようなことを書きました。

そんな感性と感度でもって、一大スピリチュアル都市を造ったのが奈良時代、だったのでは。。。

やがて都市は京都へと移っていきましたが。
それもまあ、「諸行無常」ですから。

さて、正倉院展、もう入場した途端に体温が上昇 
冷え性なので、朝から寒い寒いと着込んでいたセーターを脱ぎ、幸福感にゆるみきった頬で、会場を何往復もしました。

にこにこしながら、会場を歩いていたら、いろんな人に話しかけられました。。。

でも会場の人たちも、みんな楽しそうです。
毎年、年中行事と化している常連さん達も多いのでしょうね。

1300年も前に、作られた宝物類がこうして守られ、今もたくさんの人を元気にしてくれている。。。

そう思うと、無性に、ありがたくなります。。。

(写真は全然関係なく、2010年の東大寺での光明皇后1250年御遠忌のときのもの)


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