伝統は決して立ち止まらないことだと。。。
「伝統は決して立ち止まらないことだと、誰かが言った」
故・多忠麿(ただまろ)先生のお言葉です。
伝統って、がちがちに固まった頭で固守していくものでなく、清かな、時代のゆらぎにそって動く心で常に進化していくものです。
唱歌はおそらく、微細な変化を各時代で遂げてきています。
時代の波を確かにとらえながら、気がつかないうちに内面から変化していく。。。
「僕も随分、(前の先生のやり方を)変えた、変えた、って言われたけれどね」とは、故・東儀兼彦先生のお言葉。。。(ご本人から、直接伺ったお言葉です)。
東儀兼彦先生の先生は東儀博先生。
確かに、兼彦先生と博先生は、篳篥も唱歌も、かなり違います。
でも、もうなんと表現していいのかわからないくらい、どちらの先生の篳篥も魅力的です。
累代の雅楽器師、八幡暹昌さんのお話。元々は石清水八幡宮の社家のお家柄だったとか。わたしも一管、作っていただきましたが、繊細な作りの楽器で、古風な音が鳴ります。
昔々の楽部の先生方のお話やしきたりも、随分伺いました。
調律も教えていただきましたが、伺うたびに(あれ、数年前は確か、○○とおっしゃっていたじゃないですか???)というところがあります。
でも、よく考えてみると。。。
(あっ、そうか!あそこは××だから、こうしたほうがいいんだ!なるほど)と思います。
そうなんです、職人さんというのは十年あったら1日も違わず同じことを繰り返している、、、という素人の思い込みは間違いです。
前のやり方を壊すのは、怖いです。慣れたやり方を繰り返しているほうがはるかに楽なときも。いつも最善を目指す気持ちがないと、新しいやり方は思いつきません。
進化がない仕事なんて。。。。つまらない。
ちょっとずつ、少しずつ、やりかたを変えていく。ダメだったらまた元にもどって。。。
その積み重ね。。。
伝統だって、「進化」しています。
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