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2012年6月 6日 (水)

唐招提寺

南都の仏教に心を惹かれます。

今日は鑑真大和上のご命日、開山忌舎利会が行われていました。

わたしも唐招提寺のそばに住むまで、実は、それほど興味があった訳でなく、教科書的な知識しかありませんでした。

でも、当時、仏教は宗教ではなく、国家を治めるための先進国の学問・哲学であって、日本側にしてみれば、鑑真大和上の来日は、まさに救世主が地に降り立つような感じだったのでしょう。

12年間に5度、渡航に失敗。
失明。

そして6度目の渡航でようやく日本にいらしてくださったかたです。

招来されたかたは、聖武天皇でした。

唐招提寺は「律宗」のお寺です。

戒律の「律」ですが、つい雅楽のなかの「律と呂」や「律が合う、合わない=ピッチがあう、合わない」という言葉のせいか、なんとなく、音楽的なお寺のように思ってしまいます。
とても静かで、透明な音楽が流れている。。。

やはり鑑真さんも、当時の雅楽をお聴きになっていたと思います。
鑑真さんにとってはまさに、「自国」の音楽だったはずです。

雅楽をお聴きになって、お国を想う日もあったのでは。
涼やかな目をされた人だったのではないでしょうか。
ご尊像のお目は静かに、おだやかに閉じられていますが。。。

詳しく年代を調べてみないとわかりませんが、例えば今、正倉院におさめられている笙や竽の音を耳にされていたのかもしれません。

おそらくその音を耳にされているであろう、聖武天皇や光明皇后にとって、それは「外来の」音楽でしたが、鑑真さんにとっては、自国あるいはその「近隣諸国」の音楽だったはずで。。。

そう思うと、突然と鑑真さんが身近な人のように思えてくるから、なんとも不思議です。

唐招提寺には、大太皷と大鉦鼓の縁が残されています。

このお寺で、太古の時代に雅楽が鳴り響いていた証です。
なにしろ、陪臚会が有名だったお寺ですから。。。

今日は舎利会の声明を聴聞に伺いましたが、おそらく表白?(法要の目的や次第を述べる部分)がなんだか長く感じられ、普段よりも多い人の群れ、修学旅行の引率の先生の、やや周りをわきまえない態度などにだんだん疲れてきて、30分ほどで、引き上げてきてしまいました。

1400年後の日本人の伊藤はこのていたらく、ごめんなさい、鑑真さん。。。


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