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2011年11月11日 (金)

感無量。。。

20代のころから、ずっとずっと憧れていた正倉院展。
修二会にはいっとき、通いつめていたものの、さすがに年2回は贅沢かと思い(昨年、初めて3回、奈良に来てしまったのですが)、正倉院展は諦めていました。

今日は、なんと、自転車で正倉院展に行きました!
電車・バスより圧倒的に早いです。
30分ほど、ゆるゆるこいでもう奈良博です。。。東京で、毎年忸怩たる思いでいたのが、うそみたいです。

例年どの程度なのかわかりませんが、今年は混み具合が例年ほどではないそうです。
わたしも10分ほどで、中に入ることができました。

携帯から、ブログに感激を綴ろうとしたのですが、、、電池切れ。
ゆっくり楽しみなさい、ということでしょう。

入場する前から、もう自分でも顔が、頬が、ゆるんでくるのがわかりました。

今年は楽器類がなかったのが残念ですが、まず、半臂(はんぴ)や幡などの布類に圧倒されました。半臂は東大寺の大仏開眼供養の際に着用されたもののようです。
雅楽の関係者のかたがたは、半臂、着用されることもあるかと思いますが、この時代、すでに半臂(の原型)があったのですね。

七条織成樹皮色袈裟は、、、なんとも優しい色合いです。
でも、聖武天皇が実際にお召しになったと思うと、、、空恐ろしい気もします。

香木、香関係の道具類、刀。法具。そして鏡。。。

装飾は動物や花、鳥などが多く、楽しくなります。
あるいは宇宙的な感覚を表現しているようなアラベスク、宝相華。
華麗で、繊細で、音楽的。。。

雅楽、伎楽の復曲で、たくさんの人が勘違いをしていると思うのですが、当時の音楽は今の雅楽よりもおそらく、さらに複雑で、より高度だったのでは、とも思います。

唐の国には「六十律」まであったと言いますし、何より、編成が今の雅楽よりも大掛かりだったようですから。美術、染色、工芸の分野でこれだけ高度な感覚を研いていたのに、音楽だけが単純素朴、だったはずはないと思います。

1300年近くも前の宝物類が、朽ち果てた姿でなく、今だにその光彩を放ちながらわたしたちの目と心を楽しませてくれる、というのは、やはり奇跡です。
また、形は多少変われど、当時の音楽と演奏法が残っていることは、さらなる奇跡です。

雅楽という芸能が、まだ日本に来て初々しかったころ、これらの宝物類はその現場で使われ、「同席」していた訳ですね。。。

例えば、日本で初めて、「陪臚」とか「抜頭」が演奏され、舞が舞われた日があったのですが、その日に使われていた装束や楽器、道具類だったのかもしれません。

ただ、古いから有り難い、というのではなく、やはり製作されたかた、守ってこられたかたがたの、強い意志が感じられ、、、

これまでずっと眺めてきた写真や映像でなく、「実物」がもつエネルギーに、心満たされた一日、でした。

あ、「正倉院展」で心なしか影が薄い、隣の「仏像館」、お好きなかたは必見です。
手向山八幡宮の伎楽面、舞楽面なども出ていましたし、仏像も、古い時代のものが多く、嬉しくなりました。

ただ、さらに併設の「中国の青銅」は、、、
さすがに疲れたので、今回はパス。。。

雨も心配でしたので、東大寺ミュージアム(こちらも、とーっても気になっています!!!)もパス。。。

鹿の頭をなでなでしながら、帰路につきました。。。





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