星々の声
奈良に越してきてから、落ち着く間もなく日々が過ぎ、すでに10月も今日で最後。
夕闇のなかで星空を見上げると、視力の弱いわたしでも煙るように星が見える。
平城京はご存知のように東西南北の方位にぴたりと合わせて建設された。
当時すでに星の動きなども正確に把握していたようで、天文学の知識も反映させて、都市を作り上げた。
四季に雅楽の調を対応させる思想は、おそらく雅楽が輸入され、少し経ってからのことだろうけれど、雅楽の音のなかには、星々の声も折り込まれているように感じられる。
都市はやがて崩壊し、天変地異も経験し、戦争もあり、人も去ったけれども、演奏されていた音と舞は残った。
1400年の伝統の「鎖」をつないだ人たちは、そのときどきで、どんな音を経験し、四季を感じ、宇宙を感じたのだろう。
織田信長と明治天皇は、どのように雅楽をお聴きになったのか?
1000年後、この国は、どうなっているのだろう。。。
そのとき雅楽は、奏でられているのだろうか。
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