雅楽翠篁会の演奏会
仕事の合間にちょっとだけ、レビューを書きます。
鮮烈に、ショックでした。
延々3時間、すべて舞楽の演目。
レベルの高さに本当におどろかされました。
八管通の大編成です。
各管八人もいると、大体、演奏がばらけてしまうものです。
助管二人はあまり吹けない、とか。。。
こちらは全員がレベルが高いのです。
特に笛が涼やかにそろっていました。
「そろう」、といっても洋楽的にそろっているのではなく、品よく、きれいにそろっていて、気持ちがいい笛です。
大阪楽所の演奏会でも経験しましたが、こういう笛のよさ、関西はやはり古式ゆかしいように思います。
篳篥は、やや塩梅のかけかたが東京とは違うようですが、それでもとにかく、上手です。
笛との相性も、ぴたり。
舞楽をよく心得ている人が多いのでは、と思います。
笙はわたしが習ってきた吹き方とはやや違うので、細かい点はなんとも言えませんが、それでもレベルが高いことには変わりません。
各音取、調子もきちっとしていて、安定して楽を支え、とてもきれいでした。
テクニカルにいえば、全体ではいろいろ〜とありますが(笑)、打球楽などは、舞も、圧倒されました。
七曲あった舞のなかでも、打球楽は突出して、よかったです。
楽部以外でこれまで観た舞のなかで、一番、素晴らしいと感じました。
左舞でこんなに感動したのは、何年ぶりでしょう。一臈さんの、あの打球楽独特の手、堂々たるものでした。
七曲をこのレベルで演じきるには相当の鍛錬が必要なはずです、でも、その鍛錬のすごさをひけらかすような演奏では、まったくないのです。。。
こういう、すばらしい演奏会に限って、満席ではないのですね。。。
6、7割ぐらいでしょうか。
しかも察するに、身内のかたがたが多く、やはり年配のかたが圧倒的に多く。。。制服姿の学生さんも少しはいらしていたものの。。。
もったいないです。
始まったばかりの正倉院展に大挙して押し寄せているお客様の手を引いて、こちらにおつれしたかった(笑)。
ただ、その「気負わなさ」が、こちらの団体の謙虚な演奏を支えているのかもしれません。
古典を直球で演奏されて、これだけ感動を与えられる団体は、そうそうないと思います。
いつもこのレベルで演奏されている団体なら、東京からでも1度は聴きにくる価値があると思います。
興奮冷めやらぬ感じです。
こんな団体が、まだあるなんて。。。
関西方面に来て、さまざまな団体の演奏を聴いて、とにかく勉強になることばかりです。
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