象の、話
誰から聞いた話だったか。。。
ある地域で干ばつが続き、畑どころか、森でさえも枯れ果てていくような事態となった。
雨は降らない。
人だけでなく、動物達も飢えた。
あるとき、象の群れが、突然、移動を始めた。
人々はいぶかった。
かつてないくらいの、大移動だった。
そして、餌や飲み水を求めての移動でないことは、明らかだった。
途中、餌や水場があっても、象達は見向きもしなかったから。
何日か、飲まず食わずで歩き続けて、ある場所まで来たときに、象の群れの移動は止まった。
そこが象たちの墓場となった。
何十日、何ヶ月とかけて、象達の体は朽ちていった。
大きい象、小さい象。
若い象、年寄りの象。
そうして朽ちていった、小山のような象達の体から、やがて芽が出て、それぞれが木になった。
未消化のまま象たちの体内に残っていた、食物の木の実や種が、象達の朽ちた体を糧として、育っていくのだった。
栄養が豊富だったから、干ばつも乗り切ることができた。
そしてその、象の墓場となった場所は、やがて小さな森となった。。。。
象達はおそらく、知っていたのだろう。
自分たちの体で森が作れることを。
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