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2011年6月 2日 (木)

お互いを尊重して

雅楽は、「ストライクゾーンが広い」んです。

「合わせる一点」が非常に厳密である洋楽と比べて(だから指揮者が必要)、自由度が高い。

個人個人が高い力量で演奏して合わせていくと、すばらしく生き生きとした合奏となります。

ただ、「ここだけは合わせなければいけない」というところは、厳然とあります。

それがわからない人のほうが圧倒的に多いようです。

雅楽が、「ただぐずぐずと遅くて、何をやっているのかわからない音楽」のように聞こえてしまうのは、そのためです。

また、最近は、雅楽も「合わせやすいところで、ぴたぴたと合わせてしまう」傾向にもあります。
合わせやすくするために、篳篥、笛、笙のそれぞれが、「拍子を妙に強調して吹いてしまう」とか。

そろうことはそろいますが、妙にデジタルで、つまらない演奏となります。

多忠麿先生が、よく、「引っぱり上手、引っ張られ上手になりなさい」とおっしゃっていたのが、今、本当によくわかります。

自由度の高い雅楽の演奏、お互いを尊重して、譲り、譲られながら高貴に進んでいく雅楽の合奏は、上質なフリージャズにも通じるところがあります。

フリージャズのセッションも、知らない人は「むちゃくちゃ、自由勝手に演奏している」と思いがちですが、あれも個々人がものすごい基礎練習を積んでいるから、面白いものができるんです。。。(もちろん、崩壊することも、多々ありますが、笑)。

そんな合奏を夢見つつ、研鑽の日々。


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