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2011年3月24日 (木)

音に救われる

FMラジオから、、、

多分、中国の奥地のほうの民族音楽で、、、まったくとらえどころの無い不思議な合奏が流れて来た。

絃、弦、シンプルな打楽器の合奏。メロディーラインはあるのかないのか。
単調なフレーズを繰り返す。
リズムには長尺の周期があり、雅楽に似る。

生まれて雅楽を聴いたときのような錯覚に陥った。
あれ、これは音楽?
音楽なのだろうか?
音の「仕組み」「文脈」がまったくわからない。
なのにとても魅力的で、どの楽器のラインを追ってみても、支離滅裂のようで、複雑なルールのもとに絡み合っていく様子が見事だった。

寒い部屋のなかで体が冷えていくのも気にならず、ついつい聞き込んでしまった。

ふっと現実から離れて、遠い地でのどかに合奏を楽しんでいる人たちの映像が、頭をよぎった。

こんな状況下でも、「ああ、世界は平和だ」と思った。

今、大変な人たちがいる。
日本の被災地で被災した人。
苦しんでいる人。
これから汚染の恐怖におびえながら生きていく私たち。
でも、世界には戦争の争乱で国がもっともっと、めちゃくちゃになっているところもある。

でも、世界中の大半は平和で、わたしたちの困難には無関心。
でも、それが世界なんだ。
わたしたちの被災を何とも思わない、あるいは知らない人たちもいる。

でも、それが世界。
そしてそれが当然のことなのだと、初めて、生まれて初めて理解したように思う。
以前は、無関心な人たちに腹を立てたこともあった。

ふっと、そんなことを思う。

音の、仕業。。。唐突に舞い降りて来た、異国の幻影。

わたしは、明日も越殿楽を奏でているだろう。


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