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2011年2月28日 (月)

国立劇場 蘇合香 (1)

35年前の、明治以来、初演となった、蘇合香上演の際の、プログラムに書かれた文章を読んでいます(音楽之友社刊「日本音楽叢書 雅楽」所収)。

東儀和太郎先生と芝祐靖先生の文章からも、当時でさえ、この大曲の演奏がいかに困難であったか、が伺えます。

1808年(ショパンが生まれる前!)の、この曲の演奏記録には、「・・・愈々合奏を開始したのは午後5時頃、それからおよそ4時間ないし5時間、長閑な管絃の響きが禁廷に流れた。その後万事終了したのが午後10時過ぎ・・・」とあるそうです。
さぞかし厳か、かつおっとりとした雰囲気だったのでは、と思います。

また、和太郎先生の時代の話に戻って、「三帖、四帖、五帖を簡単に1回ずつ、合奏した初日の練習」でも、約2時間を経過したとか。。。

先日の国立劇場での公演はさらに「序一帖」もあり、後半は休憩と狛桙を入れて、2時間程度、でしたから、繰り返しの部分などはかなり省略されていたのでしょう。

ただ、、、わたしの感覚、ですが、わたしの好きな東大寺のお水取り(修二会)などは、夜の行などは7時から始まり、長時間の休憩もありますが、夜の12時、おそいときは、1時半ごろまで、と続きます。
そしてそれが、毎日14日間、続きます。

現代人の感覚で、、、
長い長い、と思うから、、、長いのでは?

もちろん、演奏者と舞人は、途中で交代してもいいと思うのです。。。
文楽などでも通し狂言、1日がかりで行われていますが、幕によって代わる太夫さんと三味線はもちろんのこと、人形遣いさんも代わります。

簡単に、比較するな、と怒られそうですが。

でも一度は、楽師の先生方の演奏と舞で、「省略なし」の蘇合香の公演が、あってもいいのでは、と思うので。。。



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