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2011年1月15日 (土)

「聖武天皇 責めはわれ一人にあり」

東大寺長老 の森本公誠師のご著書。446ページもの大著です。
本日、揮毫をいただきました。

時を隔てた遠い存在の聖武天皇像ではなく、政治家として、また、人として苦慮される聖武天皇のお声とお姿が伝わってくるような、大変な労作です。

そして、情熱的な仏道の求道者でもあられたようです。

天変地異のため、飢饉が続き、あげくの果てに大地震。

国民が喘ぎ、苦しむなか、その自然災害が起ったのも、自分のせい、だと。

「責めはわれ一人にあり」と。
今風に言うと、「ワンネス(すべては、ひとつ)」を体現していた政治家。
政治家であり、仏教者であり、また芸術全般に深い理解のあるパトロンであり。。。

当然、「雅楽」の話もでてきます。
いえいえ、聖武天皇もまた、雅楽の世界の、大きな「立役者」であったと思うのですが。
雅楽というと、平安時代、と思っていらっしゃるかたが多いと思いますが、「太い幹」の部分が作られたのは、聖武天皇や光明皇后の時代であったように感じます。

こういうときは、ほんとうに雅楽に関わっていて、よかったと思います。

資料から、映像や、音が鮮やかに浮かびあがってきます(もちろん、現在の雅楽とはまったく異なっていると思いますが)。

(こちらのご本は、当ブログの左列の BOOKSの項目で、アマゾンとリンクさせておきましたので、御覧ください。ただ、現在すでに品切れらしい?)。

1月28日の雅楽のお話会でも、少し、内容に触れさせていただくことができると思います。


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