円環する時間
アジア圏の生命観とか時間観は、「円環」(繰り返す、めぐる)という考えが強い。
・・・これは、要は「ループ」なのでは?とふと気がついた。
音楽でいうループとは、短いパターンを何度も何度も繰り返すこと。
ただ、もっと大きな流れのループを考えると、雅楽の打ち物類のパターンの繰り返しは、完全な「ループ」です。
昔、多忠麿先生がおっしゃっていました。
「10代のときより20代、20代のときより、時間の感じ方が早くなるんだ。30代、40代なんて、あっという間。50代になると、もうこれまでの倍ぐらいの早さで、季節や時間が流れていく」」と。
今、わたしも40代の後半となり、その感覚がすごくよくわかります。
雅楽の打ち物類が、後半に向かうにつれて「加拍子(くわえびょうし)」となり、これまでの半分の周期で、太鼓が鳴り出すのも、こういったアジア的感覚がベースにあるからだと思うのです。
時間は直線的に進んで、戻らない、という西洋的な感覚とはまったく違う・・・
でも、自然音って、自然に「ループ」していることが多いんですよね。
波の音、鳥の声、風の音。
雅楽に自然を感じる人が多いのは、そんなことも影響しているのでは、、、と思います。
楽器の音色とか、雰囲気だけではなくて・・・
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