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2010年3月 7日 (日)

笙奏者の悩み!

ずばり、音律です。

ピュタゴラス音律と平均律とのずれをどうするか。。。。

何度も書いていますが。。。

妥協線としてA=441で調律したものの、やはりDあたりが気になってきます。

実は昨年の1月にCD「祈りの海へ・・・」の2回目の録音のときFor solo voiceを作りかけたのですが、ピアノの高橋全さんが、「自分は弾かない」とおっしゃって肝を冷やしたのです。

トップに来る曲がまだできていなくて、前日に音源を笙のみで作ってお渡ししてありました。

それでOKをいただいて、弾いてくださる、ということだったのに。。。
真っ青になりました。

要は、「For solo voice ひとり言のように」実は、cis(Cシャープ)の音から始める予定だったのです(笙の音で言えば、工の音)。
実際に演奏したのはfis(Fシャープ、下の音)からです。

cisの音あたりですと、平均律からのずれがどんどん大きくなってくるんですね。
で、高橋さんは弾きたくない、と。

わたしも実際に、このずれが気になりはじめていたときだったので、高橋さんがおっしゃっていることは、よくわかりました。。。

古典ピッチの笙から洋楽ピッチの笙に持ち替えて、cisの音を聴いたりすると、ソルミゼーションが半音、ずれて聞こえてしまう。
(ただ、同じcisでも、言の音だとそれほど気になりません。)

でも、トップに来る曲を、その日のうちに録音しなければ、、、
もともと、予算的にもスケジュール的にも、府中のホール1日で済ませるはずでした。
もう、ホールを押さえている余裕はありません。

苦肉の策で、完全四度上げてfis から始まる旋律に変えて、どうか、これで、弾いていただけませんか。。。と必死でお願いして、できたのが、For solo voiceです。

ぜんぜんイメージが違う曲になりました。

http://www.napimusic.com/listen.html

これ、cisから始めたらどうなっていたんだろう。。。
もうちょっと大人っぽい線を狙っていたのですが(笑)。

でも、出来上がったfor solo voice、この曲も大好きです。
単純なメロディーに即、高橋さんが本当にきれいなピアノの音を当ててくださって、高音域でまとまり、かわいい感じになりました。
完全四度上がったものの、意図した雰囲気(CDのトップの曲)には仕上がったのです。

その後、笙のほうで何本か細い旋律を足しました。
もう少し、トラックを重ねようと、何度も聴きなおしたのですが、もう、これはこれでシンプルにいじらないでおこう、と思いました。

それにしても、平均律とは合うわけがない楽器ですが・・・

でもやっぱり、D-major では、Dの音、困ったな~~~。


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