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2010年2月15日 (月)

東大寺修二会(2)

「東大寺に行きます!」というと、「パワースポットですか?」とか、「スピリチュアルな理由で?」とか、聞かれることもあります。。。

(???・・・何か違うぞ?)と感じます。

前の記事にも書きましたが、学生の頃は数人でわいわいと二月堂まで登っては(結構、坂道がきつい・・・)、極寒の局(つぼね)に延々と座っていて、行の休みの時間になると、局の横のお茶屋さんで甘酒を飲んだり、うどんを食べたり・・・お堂から降りて宿舎に着いたら、お酒で温まり、、、翌日のお昼になると、また拝観しに行くということをのんびり繰り返していました。

厳修される神聖な行事ではあるのですが、どこかのどかで、のびやかなところもある行事です。

声明自体も、おおらかで暖かな感じの節回し、きりりとした骨太の節が多いのです。
途中でほら貝がぽーぽぽっーぽー、ぽぽーと鳴ったり(笑)。
お坊さまも、神聖な行事にご奉仕している、という緊張感を保ちつつも、どこか明るい。真剣さに満ちながらも、ほがらか、なんです。

10年ほどのブランクを経て、久々におととし、拝聴させていただきました。

昔は二月堂で絵馬やお守りを売り、行を手伝っているおじいさんたちも、のんびりしていました。

そういうおじいさんたちとお友達になると「おおー、今年も来たか」みたいな感じで、迎えてくださり、こちらも「すみません、北の局を開けていただけますか?」なんて、お願いもしたり。。。

その頃は今ほど人も多くなく、おじいさんたちは、大体夜になると酔っ払っていました。
当時はわたしも「女子大生」でしたから(笑)、たずねていくと嬉しかったみたいです。

酒焼けした赤ら顔で、わたしたちと延々と話し込んで、先輩格らしい別のおじいさんに「いつまでもしゃべっとらんで、さっさと仕事せい!!」と怒鳴られ、ばしーーん、とお尻をたたかれたりしていました(笑)。

「はい・・・」と素直に答えて、すたすたと掃除に向かうおじいさんの後姿が、ちょっと淋しい・・・。あとで「ごめんなさいね、長話ししすぎちゃって・・・」と謝りにいったら「ええんよ、ええんよ」とにこにこされていました。

「あんた、いい大学に入っているけど、必ず、嫁に行かないとあかんよ。世間を甘くみたら、あかんよ。学問というのは、な、幸せになるためにするんよ」なんて話を突然されて、もうひとりの芸大の友達としんみりしてしまったこともあります。。。(ううーん、嫁に行けば幸せになれる、、、なんて古風・・・)

深夜の行の真っ最中、局の横の小さな部屋で、おじいさんが「がーがー」といびきをかいて、大の字で寝ていたことも、よくありました。
声の大きいお坊さんの声明が始まったとたん「わっ」と飛び起きたりしているのを、目撃したことも(笑)。今の世の中だと「不謹慎な!」とか怒られそうですネ。

お堂の中の行とは関係なく、柱時計がぼーんぼーんと鳴ったり。。。
「1200年以上も続く、行」の割には、あっけらかーんと、のどかなんです。

10数年後、ひさびさに行った二月堂で、「あの、、、いつもここにいらしたYさんは・・・」とうかがったところ、「ああ、2、3年前に亡くなられたな」と言われ、(やっぱり・・・)と思ったものの、じわっと目頭が熱くなりました。

正直に言って、「信仰」ってまだまだよくわからないです。

「信念」とか言われると、もうだめ、です。
ごめんなさい、です。
根性なしです(笑)。

でも、仏教とか神道とか雅楽って、理解はできないけれど、どこかで自分の骨とか血とか肉の、一部には、なっているように思います。。。「骨の髄まで」とかいえたら、格好いいのですが(笑)、少なくとも、人生の、大事な一部ではありますね。。。

パワースポット、、、??
確かに、元気には、なりますよ。。。???


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