永続可能な社会と神道・仏教
装束史・雅楽の歴史などを洗いなおしていますが、自分が触れてきた世界について改めて考えさせられています。
またそこから派生して、神道や仏教についても。
雅楽に携わったことで、ごく普通の一般家庭に育ちながらも、神道・仏教の双方に関わらせていただいています。
どちらかの関係者であれば、おそらく、どちらか、の世界しか知らないはずでした。
といっても、わたしの場合、何かの専門家ではなく、両方に関心があり、また、奉納のための楽や舞で関わらせていただいている、というだけですが。
特に特別な修行をしたこともなく、神職や僧侶としての資格を持っているわけでもありません。
でも、「浅いところでいったりきたり」しているので、両方を外の世界から感じることができるのかもしれません。
もうそろそろ、たくさんの人が気がつき始めています。
エコロジーやサステイナブル・ソサエティー(永続可能な社会)という発想や思想は、仏教や神道の世界では、ごくごく当たり前の世界です。
共存共栄の世界、つながりを重視する世界。
八百万の神様の存在を感じる(・・・神道の世界では、どうも「信じる」とか「信仰」ではなく、「感じる」世界のように思います)世界。
生きとし生けるものの幸せを祈る世界。
そして、神道と仏教が、ほどよい感じで混ざって広く広まっているのも、日本文化の特徴です。両方の長所がいかされているように思います。
東洋大学の学長さんがディープエコロジーについて書かれていたり、ワールドウォッチ研究所のレスター・ブラウンさんのご著書の翻訳でも有名な枝広さんが、仏教について触れられていたり。
今、世界中のシンク・タンクが必死になって、探してもどうしても得られない、「循環型社会」のお手本が実は難なく、日本にあるのです。「経済」を主軸に社会を動かしてきた世の中が、今、変わりつつあります。
1000年以上も前に作られた奈良・法隆寺、その法隆寺を建立した宮大工の集団は、1000年以上もこの塔が持つことを予見して建てられた、といいます。一本一本の木のくせを見抜き、経年変化を予想して(年数による木のくるい、までも予測して)、塔を建てられらそうです。1000年の樹齢を持つ、ヒノキを使って。
今、「千年後のことを考えて」、ビルを建てている人たちが、果たして世界にいるのでしょうか?
昔の人たちの見識や知恵、永続可能な共存共栄の社会実現のヒントが、仏教や神道や雅楽を知ることで、少しでも感じられるのでは、と思います。
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