也と毛
笙吹きの皆様は当然、笙の17本の竹のうち、2本はリードがついていないことをご存知ですよね。。。
ただ、正倉院の楽器には、この2本にもリードがありました。
ピュタゴラス音律という調律の性質上、このあたりのリードから他の竹との音のひずみ(と、言っていいのかどうか、わかりませんが)が大きくなります。
実際につけてみて、おお~☆と感動しました。
何しろ勝絶が鳴らせる!
そして使える「旋法」がぐっと広がります。
世界観が変るぞ・・・と思っていたのですが。。。新たな障害も。
新しく開けた指穴の位置が微妙で、普段、何気なく触ってしまうのです。。。右手の使わない指は自然に竹に沿わせるようにして、もう長年吹いているので、これは怖い。複雑な音を吹いていると突然鳴り出す勝絶の音。
もう一度、開けなおすか、練習して触らないようにするか。。。
あと、和音で吹くと、やはりこの音はかなり辛いですね。どの和音を吹いても、ひずみの強さが出てしまう。。
こうして、実際に試してみて、なぜ、「もともとはあったリードが、伝承の過程で失われた」のか、理解することができます。。。
でも、fもbも、旋法的には使えるので、今後楽しみです。ようやくマイナースケールが吹けます。。。(笙は、意外とメジャースケールな楽器です)。
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