万の仏の願よりも
「日本の歴史に登場する幾多の人物の中で、、後白河法皇ほど複雑な人をわたしは知らない」 ・・・・
「後白河以上に美を理解するパトロンは、日本史上、二人とないと言ってよい」
(「京都発見」二 梅原猛)
万の仏の願よりも 千手の誓いぞ頼もしき
枯れたる草木も忽ちに 花咲き実生ると説いたまう
梁塵秘抄 巻第二
千手は「十一面千手千眼観世音菩薩」。
三十三間堂で初めて見たとき、感動のあまり動けなくなった。
かなり以前にテレビで見て、うろ覚えの情報なのですが・・・
昭和のときに千一体の千手観音様の修理を行った。
そのときそれぞれの仏様のなかから願文が出てきた・・・
そしてそれは当時の高位の政治家や僧侶、貴族のものだけではなく、一般の庶民のものが多数あったという。
かなりの数の観音様が一度、焼き討ちで焼かれているから、当時のものは少ないかもしれないが、それでも最初に作られたときに行われたことにならって、庶民の願いも入れられたのだろうと思う。
いかにも、後白河法皇らしいエピソードだと思った。
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