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2009年7月30日 (木)

大音量の時代

音がだんだんうるさくなる。

ピアノの音が大きくなっていったのは、リストの時代からだそう。
中学生の頃、ショパンの伝記など読んでいると、「プレイエル」というピアノの製作会社の名前がよく出てきた。ショパンの繊細な、やわらかい曲はプレイエル社のピアノから生まれてきた。

その後、ピアノは上流階級のサロンから飛び出して、コンサートホールで活躍するようになるのだけれど、それに見合った発達を遂げてきた。

雅楽は、昔は大人数で演奏されていた時期もあるので、そうそう合奏そのものの音量が大きくなった・小さくなったとはいえないけれども、各管の良し悪しが、だんだん大音量が出るかどうかのみで、判断されはじめている。

どうも、音量はあっても「響き」がない、という音があるようで、ひたすら「どうだ!どうだ!」と言われているようで、聴いていて辛くなってくる。

皆ヘッドフォンにiPodぶらさげて、電車のなかで自分の好きな音楽の世界に浸っている。実は、音楽を聴いているようで、「聴覚が起こすまぼろし」を聴いているにすぎない。

世界中の音楽を自由に聴いているようで、実は本当の、心を揺さぶられるような音楽の体験のチャンスを、ただただ、減らしているだけなのかもしれない。


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