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2009年6月21日 (日)

あなたの笙はだいじょうぶですか?(カビ)

東京は朝からどしゃぶり。。。
湿度が高くて、日本の夏の到来を感じます。アジア圏独特のこの湿度!

日本の文化は、ある意味、「カビとの戦い」によって生まれている文化です。
そして見出したのが「発酵」の文化、「カビとの共存」文化でもあるのだとおもいますが、その話はおいておいて、笙もカビますので、どうかご用心ください。

楽器の調律をしていると、こんな楽器が回ってくることがあります。

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かびが竹の表までびっちりと回ってしまった例。やや写真が見づらいですが。。。

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今の世は、住居も楽器ケースも非常に気密性が高いです。
昔は住居も木造で本来エアコンなどなくてもいいように風通しよく作られ、「家」そのものが呼吸していました(と、いっても夏は暑く、冬は隙間風などが厳しかったでしょうね。その分人間が強かったのかも?)。

その高・気密性が災いして、最後に笙を吹いてしまう前に、よくよく温めていないと、湿気が飛ばないようです。
そして、短いときは数週間、放っておいただけでかび臭くなってしまうことがあります。

昔は、笙をしまう袋も絹、あるいは木綿だったから、まだよかったのでしょう。
いま、笙の「おくるみ」はたいていが化繊です。化繊では湿気が飛びにくいようです。

そして笙のケースは「桐の箱」でした。
もともとが、今のように持ち運び、携帯するような楽器ではなかったのです(携帯用に「袖管」というかわいい、小さな笙もありますが)。
お殿様がお持ちだった楽器は桐の箱がさらに漆塗りの箱にしまわれていたりします。
こういったお道具類はときどき博物館に出ています。
本当に「お姫様」な楽器だったのですね。

リコーダーの吉沢実先生とお話していたら、やはりリコーダーにとっても「かび」はお悩みどころだそうです。わたしは用心しながらエタノールをカビ取りに使っていますが、苦労して何ヶ月もかけてとったカビが、再度発生してしまうことが多いのです。

吉沢先生のお話では、エタノールではカビ菌は死滅しないそうです・・・
そして、教えていただいたのが「カテキン」。
塩素もよいそうですが、ちょっと楽器には使いたくないですよね・・・

なーるほど!そういえば、篳篥さんがリードをいつもお茶にひたしているじゃないですか!!!
あれは、もちろん茶渋が繊維にいいから、とか、リードを適度に開かせるため、とかいろいろありますが、おそらく、カビよけにもなっていたのですね。
(それでも、長期にわたって練習しないで、かびさせている人もいらっしゃいますが・・・)

ただ、カテキンはまだ笙には、試してみていません。
しみになるかもしれないので、自分の安い管で、まず一度試してみたいと思いますが。。。

そこでご注意していただきたいこと。
1.笙は吹く前と吹いたあと、かならずコンロや火鉢で焙じますが、特に吹いたあと、しっかり温めてください。
2.吹かなくても、ときどき、楽器ケースから出してください。
安全な、風通しのよい場所でしたら、袋におさめたまま、ケースから出しっぱなしでもかまいません。
3.ただし、かびを避けるためとはいえ、
「直射日光」は厳禁です。
竹は直射日光に弱いようです。特に古管は直射日光は避けたほうがよさそうです。
割れる原因にもなります。
4.楽器のサイズが比較的小振りで、楽器ケースのなかで遊ぶから、と梱包財(よく、商品の発送時に用いられる、通称「ぷちぷち」)でくるんだりされているかたがいらっしゃいますが、あれは楽器にとって非常に「苦しい」もののようです。やはり呼吸できませんから。
使うのはかまいませんが、くるみっぱなしはやめましょう。
2週間程度でかびくさくなっていた楽器もありました。遠方から配送されてきた楽器をそのままにされていたようです。

篳篥や笛も、実はしょっちゅうかびているようですが(笑)、あのかたがたは、水洗いもできますし、何より演奏時に息を吸い込みません。

笙は水洗いなどできませんし、ないしろ思いっきり吸い込みますので(笑)、とてもつらいです。
調律するほうも大変ですが、楽器にとってもよくありません。

笙愛好家の皆様、少し気温があがってきて、笙を焙じるのが億劫になりがち、ですが、最後はきちんと温めてからしまいましょう。

 


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