日常の時間から離れて-舞
例えば自分の両手をゆっくり、頭の上に持っていって、平泳ぎするようゆっくりゆっくり、腕をおろしてきて足の両脇につける。
できるだけゆっくり、なめらかな動作で。
10秒とかそれ以上かけて。
たったそれだけのことで、日常の時間の流れが変わってしまいます。
片手だけでもいいです。
ゆったりと、できるだけ、きれいに。
できるだけ、優雅に。
ちょっと繰り返してみるだけで、感覚が変わってきます。
こんな動作が雅楽の舞(平舞)の基本動作に入っています。
おおらかで、優雅な動作。背筋をぴんと伸ばして・・・
以前、キングレコードでのレコーディングで、万葉集の朗読に雅楽の音をつける、というものがありました。
楽筝のソロのレコーディングが始まったとき、キングのディレクターさんが、「・・・ああ、いいですね。昔は、時間の流れが違ったんですね」と感慨深そうにつぶやかれました。
本当にそうなんでしょうか?
今と昔では、時間の流れが変わってしまったのでしょうか?
あわただしい時間を生きるようになったのは、わたしたちの感性が変わってしまったから・・・雅楽の時間感を楽しめるようになってから、時間の流れや時代の流れに対する感覚が、はっきりと変わったように思います。
明日は明治神宮で楽友会の舞楽奉納があります。11時から。
振鉾、万歳楽、八仙。
どなたでも、無料でご覧になれます。
いにしえの、おおらかな楽の音と舞を最高峰の演奏で楽しむことができます。
日常のあわただしい時間から解放されたいかたは、是非。
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