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2014年9月19日 (金)

おススメの事典

久々に当ブログ右カラムの「BOOKS」の欄に追加です。

別冊太陽の「雅楽」の監修でも知られている遠藤徹先生のご著書。
手に取りやすいサイズ、「雅楽を『知る』事典」というタイトルからも感じられるように、専門家でなくても興味が持て、かつ雅楽の「今」を知ることができるような内容になっています。
(昨年から気になっていたのですが、ようやく購入。
まだ全部は読み終わっていないのですが)。

最近のこういった啓蒙的な内容を持つ本の傾向として、「現代の伝承」についても、客観的な言及がある点は非常に興味深いです。

遠藤先生は故・多忠麿先生の時代からのお稽古場でご一緒させていただいていますが、演奏に関しても、しっかりした腕前の持ち主です。

もちろん、「実演家」ではありませんが、わたしが雅楽を始めたころは、演奏についてあまり知識がない研究者のかたも多く、その内容についてクエスチョンマークをつけたくなる人もたくさんいました。
今は音大などで実技も勉強されて、研究に関わる人が増えてきたように思います。

さて、こちらは古式ゆかしい「雅楽事典」。

今取り出してきて確認しましたら、初版が平成元年!( Д) ゚ ゚

もうそんなになるんですね。。。

出た当初は、まだまだ雅楽に関する本なんて限られていて、この本は非常に有り難かったです。また、驚異的な(?)余白の多さにも驚きました(笑)。大変贅沢な、レイアウトです。

そして、上品な装丁と立派なケースに入った事典(このデザイン、個人的にはかなり好きです)。

このところ、書籍はどんどん電子書籍化されてきていますが、こういった「手触り」と装丁の美的な感覚、どんどん古いものになっていくのでしょうね。

今、出版業界も苦しいでしょうから、これだけの書籍は、もう出せないのかも。。。(と、思うと悲しい)。

内容も故・東儀信太郎先生が代表執筆者、故・小野亮哉氏(小野雅楽会会長、当時)が監修とだけあって、実演に関わる事柄に特に詳細な記述が多いことと、古楽書からの引用が多く、格調の高い内容となっています(その分、楽に携わっていない人には相当難解なはず)。

この事典の「人名」の項目には、当時現役でご活躍されている宮内庁楽部の先生がたのお名前も載っているのですが、自分がお世話になっていた先生を含めて、その何名かはすでに鬼籍に入られ、また当時若手だった先生が今は立派な中堅どころに。

時代の趨勢(と、自分の年齢sweat01)を感じます。

あの時代の雅楽が、なんだかすごく懐かしい。。。

と、いう昔話は置いておいて(笑)。

今、高校生に笙をお教えしているのですが、実技だけでなく、「あれも、これも」といろいろとおススメしています。関西方面のかたなので、なかなか宮内庁楽部の演奏会や東京楽所、伶楽舎、十二音会などのレベルの高い演奏に接することができないので、せめてCDや書籍でいろいろと良いものに触れていただこうと思っています。

(などと書くと語弊があるとお感じのかたもいらっしゃると思いますが。。。例えば関西で、絃以外は完全に暗譜で笙、篳篥、笛はもちろんのこと、鉦鼓、打ち物にいたるまで楽人、また舞人が「ノーミス」、という演奏会に、1度も遭遇したことがありません。ただ、個人個人では、相当な腕前、あるいは雰囲気をたたえた楽人、舞人さんに行き会うことがあり、そういうかたがたには、心から感動しますし、敬意を表したくなります。)

最初に、自分も使い込んできた「雅楽事典」を勧めたのですが、やはり使いこなせていないのですよね(久々に自分でもみてみて、ああ、確かにビギナー向けではないな、と。ただ演奏に関わるのなら、いつかは必要になってくる本とは思っています)。

「雅楽を知る事典」も、まったくの初学者向けの内容ではありません。
ところどころに「えっ、そんなことがあったの?」という話もちりばめられていて、とても興味深いのです。

これだけ、多岐に渡る内容をコンパクトにまとめられるのは、現在のところ、やはり遠藤先生だけでしょう。

そのうち、拙ブログでも、内容を使わせていただこうかと思っております(笑、もちろん引用元明示の上で)。



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