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2013年1月 9日 (水)

これでいいのか?(国立劇場のチラシの内容)

3月国立劇場での宮内庁楽部の公演。

伺えるかどうかわからないので、チケットの購入を迷っているところですが。

国立劇場ウェブサイトの、
チラシの裏の説明文を見てからというもの、、、
http://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_s/2012/1902.html?lan=j
ずっと悩んでおります
今回はふたつの調、壱越調と平調を演奏するようですが、
「壱越調は洋楽のニ長調、平調はホ短調に相当する」というようなことが書かれており、

ひっくり返りました。
うーん。。。、、、

そのような表現でいいのかしら。。。
壱越調は洋楽の、D majorかというと。。。
雅楽はどちらかというと、洋楽できちっと分かれている「長調、短調」というよりは、旋法的な要素が強い音楽です。
しかも異なる2種の旋法が同時に鳴っているところも多々あり(ヘテロフォニーなどと言われる所以)、さらに笙はそこで我が道を行くような合竹を演奏していることも。
洋楽との安易な類推は、いかがなものかと。。。
そろそろ、そういった嗜好から脱却してもいい時期なのでは、と思うのです。
明治以後、雅楽が一般に広まり始めた初期の頃は、おそらく、洋楽になぞらえることで、理解しやすくなっていた面がとても大きかったと思います。
もちろん、上記のように書きたいのはわからないでもなく、また完全に間違いとは言えない部分もあるのかもしれませんが。
素人さんの発表会のご案内程度なら、ご愛嬌で、まだわかるのですが。
国立劇場のチラシで、しかも楽部の公演ですから。。。
「慎重」かつ「学術的にも、正確さを期した」解説を書いてほしいと思います。
(この件については、またもう少しつっこんだところを書いてみたいと思いますが)

とにかく、「ニ長調」「ホ短調」はおかしいと思います。
なぜそんなところにこだわるかというと、ここ数年、雅楽全体が非常に洋楽化してきているのを懸念しているから、です。

わたしはコンテンポラリーな雅楽とか、まったく別ジャンルとのコラボなどはあったほうがいいと思っています。
でも、古典のなかでは古典らしい純粋さを保ちたい、
保っていってほしいと思っています。

壱越調の曲が、ニ長調的に聴こえる部分もあるにはあるのです。
でも、そこの部分の唱歌を「ニ長調」で歌ったら、あるいは篳篥や笛で演奏したら、「一応、音はあってはいるけれども、なんだかおかしい」雰囲気になります。
わたしは、雅楽の古典の音感覚は、洋楽の「半音よりも、はるかに狭い、もっとずっとずっと微妙な音程でのせめぎ合い」だと思っているので。

前にもちらっと書きましたが、同じ「勝絶」の音でも、使い分けていたりするんです(ここ数年でわたしもようよう気がついたことです)。
若い演奏者が「壱越調はニ長調だから」という感覚で演奏されたら、、、雅楽の先行きは暗いです(笑)。
たとえそれが、黄鐘430Hzの演奏であっても、なんか変だよね。。。という演奏になると思うのです。

多分文章を書かれたかたは、「呂旋と律旋」のことが頭にあって、「呂旋」は長調、「律旋」は短調と考えられたのかと思います。
ですが、呂「旋」、律「旋」であって、呂「調」、律「調」ではないのです。
実際、「呂旋、律旋」の分類も、理論と実際の演奏が、かみ合っていないところがあったと思います。


ついつい、それで気になってしまい。。。
ここ数日、ずっとひっかかっているので、文章にしました。


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